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声をかける勇気が誰かを救う: 高校生がテクニカルサポート詐欺から、高齢者を守る

穏やかな店内に緊張が走りました。

沖縄県立名護商工高等学校に通う 名嘉眞煌友 (なかまこうゆう) さんは 授業後にアルバイト先のコンビニエンスストアで勤務していたところ、マイクロソフトから求められたという 5 万円分の電子マネーを買いに来た 80 代の男性に遭遇しました。

沖縄県立名護商工高等学校の教室で話す名嘉眞さん
沖縄県立名護商工高等学校の教室で話す名嘉眞さん

「店に入ってきた男性の様子がただ事ではなさそうだったのです。そして最近 IT 業者を語り、プリペイドカードを購入させたり、パソコンがウイルスに感染したと言われ、代金の支払いを求められるサポート詐欺などが流行っているから注意するように、とコンビニの先輩から教わっていました。」

名嘉眞さんは、すぐに男性に声をかけ、詐欺の可能性もあるから購入前に確認してみませんかと提案しました。パソコンのウイルス除去の費用を求めてきたマイクロソフトを名乗る電話番号に、その場で電話をかけてみることに。反対の手には別の携帯電話を使い、日本マイクロソフトの代表番号を調べました。電話番号の声の主は「マイクロソフトの者です」と言い続けましたが、名嘉眞さんが「この電話番号が日本マイクロソフトの電話番号と異なるのはどういうことか?」と追及したところ、突然電話を切られたと言います。

この名嘉眞さんの活躍により、男性は詐欺被害を免れることができた。そしてこのヒーロー的な活躍に、名嘉眞さん自身は警察から感謝状が贈られました。

世界のテクニカルサポート詐欺自体は、昨年よりも減少傾向にあると最近の調査結果は示しているものの、詐欺そのものが無くなっているわけでは決してありません。今も毎月平均 6,500 件余りのテクニカルサポート詐欺に関する問い合わせがマイクロソフトに寄せられています。

Mary Jo Schrade
Microsoft Digital Crimes Unit Asia Assistant General Counsel 兼 Regional Lead のメアリー ジョー シュレード

Microsoft Digital Crimes Unit Asia のAssistant General Counsel 兼 Regional Lead のメアリー ジョー シュレード (Mary Jo Schrade) は次のように言います。

「テクニカルサポート詐欺は世界中で横行しており、今回のように高齢者だけでなくあらゆる年齢層の人々が狙われています。詐欺犯がオンラインでユーザーに被害を与える手口は、単なるコールドコール (飛び込み営業電話) から、コンピューター画面に表示される偽の『ポップアップ』などのより洗練された手法へと、時代とともに進化してきました。今回のナカマさんが遭遇した詐欺は、まさにこのポップアップの手法と、電話を組み合わせた典型的な手口であったと言えます。ナカマさんの行為は非常に勇気のある行動であるとともに、まさにマイクロソフトが日ごろからテクニカルサポート詐欺に遭わないためにも確認していただきたいステップを踏んでいたと言えます。」

「身近な生活の中で、初めてテクニカルサポート詐欺に自分も遭遇したのでとても驚きましたが、同時に弱い立場になってしまいがちな高齢者を守らなければと感じたのです」

新型コロナウイルス感染症が日本でも拡がってから、沖縄県立名護商工高等学校では分散登校日はオンライン授業を取り入れ、生徒たちは。Microsoft Teams 等を活用した自宅学習を行う日々を過ごすこともありました。商業科でビジネスを学ぶ名嘉眞さんにとって、パソコンを触らない日々は無い程テクノロジの力を感じる毎日の中で、最近最も興味のある授業はビジネスマナーだと言います。

分散登校で学校の廊下から友人を見つめる名嘉眞さん
分散登校で学校の廊下から友人を見つめる名嘉眞さん

「コンビニエンスストアのアルバイトからも強く感じていますが、人と接することに興味があるので、将来はそういった仕事に就きたいと考えています。ビジネスマナーはどんな仕事に就いても人と人とをつなげる最初のタッチポイントになる為、非常に重要だと感じています。今私が興味のある職業は柔道整復師という医療技術職です。スポーツ選手や多くの人の身体の一部を単に治療するだけでなく、コミュニケーションなども通じて人が持つ治癒能力を最大限に発揮させるお手伝いを将来できたらと考えています。」

マイクロソフトは、2014 年から世界中の法執行機関と連携し、詐欺犯への法的措置を支援し続けていること、そして様々な手口からお客様を保護するために製品やサービスを強化し続けること、そしてお客様自身に、詐欺を未然に防ぐための情報提供を積極的に行うことで、テクニカルサポート詐欺の撲滅のために取り組んでいます。さらに、お客様自身がこういったテクニカルサポート詐欺についてより知識を深め、お客様自身だけでなく、家族や友人そして今回の名嘉眞さんのように地域社会全体で弱い人を守る仕組みが強化されることで、真の撲滅につながると考えています。

マイクロソフトでは、PC でインターネットを閲覧している際に、ガイド音声や警告音とともにマイクロソフトを名乗った警告がブラウザーに表示されるお客様がいることを確認しています。本警告が表示されると、ブラウザーを閉じるなどの操作を受け付けない状態となり、セキュリティ対策のために特定の電話番号に電話するよう案内が表示されますが、この表示はマイクロソフトから配信したものではなく、記載されている内容は一切事実ではありません。

お客様に表示された偽警告画面の例 
お客様に表示された偽警告画面の例 ※こちらはあくまで一例です。類似した内容や別の電話番号が表示される場合があります。

お客様がマイクロソフトなどのよく知られているソフトウェア会社を名乗る人物からの通知や電話を受けた場合、以下の点に留意することをお勧めします。

  • コンピューター上のポップアップメッセージを疑い、ポップアップ内の番号に電話したり、リンクをクリックしたりしないようにしてください。
  • マイクロソフトのソフトウェアのダウンロードは、企業の公式ウェブサイトや Microsoft Store からのみ行ってください。サードパーティのサイトからソフトウェアをダウンロードする際には、ソフトウェア会社が知らないうちにソフトウェアが改変され、マルウェアやその他の脅威が組み込まれている可能性があるため注意が必要です。
  • テクニカルサポート詐欺の被害に遭った可能性がある場合は、こちら (https://www.microsoft.com/ja-jp/concern/scam?rtc=1) から報告してください。併せて、お住まいの地域の法執行機関にも報告してください。

関連情報
マイクロソフトのサポートを装った詐欺にご注意ください
https://news.microsoft.com/ja-jp/2021/01/29/210129-information/

こちらの Story を英語で読む場合はこちら
Alert store clerk becomes a cybercrime fighter – Microsoft Stories Asia

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