マイクロソフト、日本の AI 主導型成長に 1 兆 6000 億円を投資。AI インフラ、国家安全保障、人材育成を通じたさらなる国力強化を支援

本日、マイクロソフトは、「技術」、「信頼」、「人材」の 3 つの柱を軸に、2026 年から 2029 年までに日本に 100 億ドル(約 1 兆 6000 億円1)を投資する計画を発表しました。本投資計画には、当社インフラの増強、国内事業者との協力による国内 AI インフラの選択肢拡充、国家機関との官民サイバーセキュリティ連携の強化に加え、2030 年までに 100 万人のエンジニアおよび開発者を育成する取り組みと、現場で働く人々への AI スキリングが含まれます。

今回の発表は、2024 年 4 月に発表した日本への投資を踏まえ、さらに取り組みを前進させる目的で、マイクロソフト副会長 兼 社長 ブラッド スミス(Brad Smith)の来日にあわせて行われました。高市政権が先端技術への成長投資と経済安全保障を国家的な優先事項とする中、本日発表した各種取り組みは、そうした日本の政策的な方向性に沿って構成されています。

日本における AI 活用の広がりは 2024 年以降大幅に加速しています。マイクロソフトのAI普及レポート(AI Diffusion Report)によれば、日本の労働年齢人口の約 5 人に 1 人が生成 AI ツールを活用しており、世界平均の約 6 人に 1 人を上回っています。日本の大企業における導入も急速に進み、現在、日経 225 企業の 94 %が Microsoft 365 Copilotを利用しています。本日の発表はこうした背景を踏まえ、日本固有のニーズに応える 3 つの柱で構成されています。「技術」への投資では、日本国内で運用される AI インフラの整備を進めます。「信頼」に基づくパートナーシップでは、国家機関レベルでの脅威インテリジェンス共有や能力強化を通じ、日本の安全保障を支えます。そして「人材」分野では、2040 年までに 326 万人の不足が見込まれる AI やロボティクス人材不足の課題に対応していきます。

「マイクロソフトは、日本に対する長期的なコミットメントのもと、継続的な投資を行ってきました。本日の発表は、クラウドおよび AI サービスに対して一層高まる日本のニーズに的確に応えるためのものです。私たちは、世界最高水準のテクノロジーを日本に提供するとともに、日本の要件を尊重した安全で信頼性の高いインフラの構築に取り組んでいきます。また、日本の人材が幅広い分野で生産性の向上とイノベーションを生み出せるよう、引き続き支援してまいります。」
 マイクロソフト 副会長 兼 プレジデント ブラッド スミス (Brad Smith)

「マイクロソフトは、日本経済のさらなる発展に向けて、本日新たな投資を発表しました。産業振興と科学技術の進展は、国力強化の中核であり、高市早苗首相が施政方針演説で掲げられた『強い経済』の実現を後押しするものです。主権と国際競争力を両立させ、現場で使える技術と人への投資と、『フロンティア組織』への変革を通じ、成長を「構想」から「実行」へ。日本マイクロソフトは、長期的なパートナーとして、その責任を果たしてまいります。」
— 日本マイクロソフト株式会社 代表取締役社長 津坂 美樹
 

テクノロジー:国内 AI インフラ選択肢の拡充
精密製造やロボティクスといったフィジカル AI、国産の大規模言語モデル(以下、国産 LLM )の開発など、日本で最も高度な AI ワークロードでは、日本国内でのデータ管理要件に対応した、国内事業者が運用する AI インフラが求められます。こうした要件に応えるため、マイクロソフトは、さくらインターネット株式会社(以下、さくらインターネット)および、ソフトバンク株式会社(以下、ソフトバンク)と協力し、国内 AI インフラの選択肢拡充に向けたソリューションの共同開発について検討を開始しました。上記の二社は Microsoft Azure からアクセス可能な日本国内の GPU を含む AI 計算資源を提供します。これにより、日本国内でのデータレジデンシー(データの物理的所在地)を確保し、データ処理を国内で完結させながら、Azure のグローバルな標準機能を活用できる環境の実現を目指します。この協力で実現する基盤は、スケーラブルな GPU コンピューティングと明確なガバナンスを備え、国産 LLM など高度な AI 開発・活用を支えるインフラとして、日本の産業技術の進展に貢献します。


「ソフトバンクは、AI の社会実装を加速するための社会基盤の構築を推進しています。日本マイクロソフトとの連携により、国内における AI インフラの選択肢を拡大できることをうれしく思います。この取り組みによって、お客さまは『Microsoft Azure』の環境からソフトバンクの AI 計算基盤を活用できるようになり、機密性やデータ主権が求められる領域においても安心して AI を利活用することができます。ソフトバンクは、AI インフラの高度化を推進して、日本のDX(デジタルトランスフォーメーション)および産業競争力の向上に貢献していきます。」
— ソフトバンク株式会社 代表取締役 社長執行役員 兼 CEO 宮川 潤一 様


「社会や産業のデジタル化が進むなか、AI の活用を支える計算基盤の重要性は、ますます高まっています。今回の日本マイクロソフト様との協業検討を通じて、国内のお客様に対し、運用要件に配慮した柔軟な AI インフラの選択肢を提供できる可能性を検討してまいります。当社は今後も、国内で安心して利用できるデジタル基盤の整備を通じ、日本のデジタル社会の発展に貢献してまいります。」
— さくらインターネット株式会社 代表取締役社長 田中 邦裕 様


「日本が定める要件」という基本原則は、マイクロソフトが提供するハイパースケールクラウドにとどまらず、エッジやオンプレミスなど、お客様自身が管理するインフラ環境にも適用されます。マイクロソフトは今年 2 月、ガバナンスとレジリエンスに最も厳格な要件を持つ組織に向けて、Azure Local を拡張しました。これにより、パブリッククラウドへの接続が断続的、あるいは完全に切断された環境においても、Azure と一貫したガバナンスおよびポリシー管理のもと、ミッションクリティカルなワークロードを自社運用のインフラ上で実行できます。接続が制限される状況でも、業務の継続性と管理の実効性を確保します。

このガバナンス最優先のアプローチは、ソフトウェア開発にも及びます。GitHub Enterprise Cloud は日本国内でのデータレジデンシーを提供しており、厳格なガバナンス要件を持つ組織は、コードやリポジトリデータを国内に保管できます。

信頼: 成長の基盤としてのセキュリティと主権
日本の安全保障を維持する上において、国家機関レベルで協力できるテクノロジープロバイダーとのパートナーシップが不可欠です。マイクロソフトは、日本のサイバーセキュリティおよび法執行機関との官民連携を通じ、同分野における取り組みを推進しています。

マイクロソフトは、国家サイバー統括室との協力を引き続き強化し、脅威インテリジェンスの相互共有などを通じて、官民双方におけるサイバー攻撃の早期検知と事前対策を支援します。あわせて、サイバーセキュリティの中核に AI やクラウド技術が浸透し、その重要性が高まる中、マイクロソフトは官民連携におけるグローバルな知見と実績を活かし、日本での AI 活用およびセキュアなクラウドソリューションの導入を後押ししていきます。

また、マイクロソフトは警察庁と協力し、サイバー犯罪の抑止と国家レベルでのサイバーレジリエンスの強化にも取り組みます。これらの取り組みは、悪意あるインフラの無力化に関するグローバルな知見と実績を有する、マイクロソフトのデジタル犯罪対策部門(Digital Crime Unit、以下、DCU)ほかが主導しています。DCU は、昨年、警察庁および日本サイバー犯罪対策センター(JC3)と連携し、インドで活動していた国際的な詐欺ネットワークの摘発に協力するなど、各国の法執行機関との協働を進めてきました。こうした実績を踏まえ、今回の連携強化により、悪意あるインフラの特定や無力化に向けた共同の取り組みを一層推進するとともに、進化するサイバー脅威への対応における実務面での連携強化を図ります。

高市政権は科学技術研究の基盤強化を国家的優先課題として位置づけ、AI for Science を含む関連分野への投資を拡充するため、5 年間で 60 兆円の投資を表明しています。日本は医療、材料科学、製造業、エネルギー、環境など多岐にわたる分野において、世界でも代替不可能な科学データを保有しています。しかしながら、多くの研究者にとって、計算リソースの制約や AI インフラへのアクセス不足が、より大規模で意欲的な研究の妨げとなってきました。

マイクロソフトは、日本の研究者が大規模な AI 解析やシミュレーションに取り組めるよう、総額 100 万ドル(約 1 億 6000 万円)の研究助成プログラムを開始します。あわせて、次世代の研究リーダーの育成を目的としたフェローシッププログラムを提供し、AI 活用やデジタルトランスフォーメーションに関する実践的なスキルの習得を支援するとともに、マイクロソフトのグローバルな AI 研究の知見を活かし、国際的な科学コミュニティとのつながりを促進します。さらに、より幅広い AI スキリングプログラムを通じて、研究者が自身の研究に AI を効果的に取り入れることを支援し、日本の科学コミュニティ全体における基礎的な AI 活用能力の底上げを図ります。これら一連の取り組みは、日本が進める科学技術への国家投資が、計算資源の制約に阻まれることなく、具体的な研究成果へと結実するように支援することを目的としています。


「慶應義塾大学は、これまで様々な形でマイクロソフトと協働してきました。近年では2024年からの慶應AIセンターでの先端研究、2026年からの全学的な共創的提携を通じ、AIを活用した研究・教育を共に推進しています。AI for Scienceの取り組みは、理工系にとどまらず、人文社会系や学際領域を含む研究の発展に大きく寄与するものと期待しています。」
— 慶應義塾長 伊藤 公平 様

人材: 国家レベルの人材育成
2024 年 4 月以降、マイクロソフトは日本において 340 万人以上の AI スキル習得を支援し、29 億ドル (4,400 億円) の投資発表時に掲げた 300 万人の目標を達成しました。しかし、日本が直面する労働力不足の問題は深刻で、単一のプログラムで解決できるものではありません。経済産業省は 2040 年までに AI およびロボティクス分野で 326 万人が不足すると予測しており、マイクロソフトの Work Trend Index 2025 によると、日本の経営幹部の 67 % がすでに生産性向上への圧力を感じ、約 80 % が従来の働き方から AI と人間が協働する新たな業務モデルへの移行を見据えています。本日の発表はこうした状況を踏まえ、スキリングの対象をエンジニアや開発者をはじめ、製造業などの現業部門で働く人々にまで広げるものです。

株式会社 NTT データ、ソフトバンク株式会社、日本電気株式会社、株式会社日立製作所、富士通株式会社(五十音順)との協力のもと、マイクロソフトは 2030 年までに日本で 100 万人のエンジニアおよび開発者の育成を目指します。トレーニングでは Microsoft Azure、Microsoft Foundry、GitHub、GitHub Copilot、Microsoft 365 Copilot を対象に、オンデマンド学習と講師主導型のオンライン研修プログラムを提供します。この 5 社は日本のエンタープライズ領域で技術革新を牽引する存在であり、この協力を通じ、AI が本格的に普及する時代に向けた人材の育成を加速させます。

電機・電子・情報関連産業を代表する産業別労働組合である「全日本電機・電子・情報関連産業労働組合連合会」との協力を通じて、マイクロソフトはこれらの産業で働く 約 58 万人の組合員が AI の基礎的なスキルを習得する機会を提供します。2025 年 10 月に開始したパイロットプログラムをベースに、全国規模での展開を予定しています。このパートナーシップは、日本において戦略的重要性の高い産業のひとつで、AI による変化の影響を大きく受ける人々に対し、その組合員が信頼を置く組織を通じて、必要なスキルを届けることを目指しています。既存の労働力が技術変化に適応し安心して働き続けられる環境を整えるとともに、産業中長期的な競争力と持続可能性を支えることを目的としています。


「リスキリングと能力開発は、業務の効率化にとどまらず、組合員一人ひとりの個人としての成長を促すものです。デジタルリテラシー、とりわけAIリテラシーは、雇用への脅威ではありません。それは仕事の質を高める強力な手段であり、急速な変化を遂げる産業においてキャリアを築くための基盤です。Microsoft殿とのパートナーシップにより、より多くの組合員に質の高い学びの機会を届けることができます。私たちはAIリテラシーの強化を含むキャリア開発を積極的に支援し、すべての人が安心して自信を持って成長できる環境を整えてまいります。」
— 全日本電機・電子・情報関連産業労働組合連合会 会長 神保 政史 様


現在の労働者層に向けた人材育成施策に加え、マイクロソフトは Microsoft Elevate for Educators および Microsoft Elevate for Changemakers を通じ、日本の教育機関や非営利団体への支援も行っています。将来の担い手を支える組織に、AI スキルとリソースを届けることで、日本社会全体を支える基盤の強化に資することを期待しています。

また、マイクロソフトは、「九州半導体人材育成等コンソーシアム」に参画する初の主要なグローバルテクノロジー企業として、CyberSmart AI プログラムを拡大します。日本の主要な半導体拠点である九州全域の地方自治体、企業、教育機関を対象に、AI およびサイバーセキュリティのスキル習得を支援します。九州は、日本の経済安全保障やサプライチェーンの強靭性において重要な役割を担っており、半導体産業の持続的な成長と競争力の確保には、設備投資に加え、産業全体を支える人材の育成が不可欠です。マイクロソフトは、本コンソーシアムとの連携を通じて、AI を安全かつ責任ある形で活用できる人材の育成や、サイバーセキュリティ対応力の底上げを支援することで、九州の半導体エコシステム全体の強化に貢献し、日本の半導体サプライチェーンの中長期的な強靭性向上を後押しします。


「近年、半導体関連企業の投資が活況を呈する九州地域において、九州半導体人材育成等コンソーシアムでは、半導体分野における人材育成やサプライチェーンの強化に取り組んでおります。先駆的な教育プログラムやサイバーセキュリティ対策など、他にない卓越したリソースをお持ちの日本マイクロソフト社が九州半導体人材育成等コンソーシアムにご参画いただいたことを、大変心強く思っております。今回のご参画を契機として、日本マイクロソフト社と九州地域の企業、教育機関等との幅広い領域での協業を期待するとともに、九州半導体人材育成等コンソーシアムとしても、半導体を通じた我が国の未来社会を切り拓く人材の輩出に努めてまいります。」
— 九州半導体人材育成等コンソーシアム事務局 課長補佐 鉾屋 一敏 様


2024 年、マイクロソフトは日本への大規模な投資を表明しました。本日の発表は、その投資を踏まえ、日本の経済成長に向けたより具体的な取り組みを包括的に示すものです。これらの具体的な取り組み——日本の主権要件に応えるインフラの整備、国家機関レベルでのサイバーセキュリティ連携、日本の科学技術戦略を支える研究支援、産業や地域を越えた人材育成プログラムの展開——を通じ、日本の経済成長に引き続き貢献してまいります。

日本マイクロソフト株式会社について
マイクロソフトは約半世紀にわたり日本で事業を展開しています。2024 年 4 月、マイクロソフトは日本におけるクラウドおよび AI インフラへの 29 億ドルの投資、研究拠点であるマイクロソフト リサーチ アジア-東京の設立、そして日本全国で 300 万人以上の AI スキル習得を支援する取り組みを発表しました。

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