日本マイクロソフトと竹中工務店が IoT を活用した次世代建物管理システムで連携

[2014年10月15日]

クラウドサービスの新機能の活用により、運転実績を自動的にモデル化し、効率的な建物管理の仕組みを提供

日本マイクロソフト株式会社
株式会社 竹中工務店

 日本マイクロソフト株式会社(本社:東京都港区、代表執行役 社長:樋口 泰行、以下 日本マイクロソフト)と株式会社 竹中工務店(本社:大阪市中央区、取締役社長:宮下 正裕、以下 竹中工務店)は、IoT(注1)とクラウドサービスを活用した建物設備のモニタリング、管理・分析等を自動的に行う次世代建物管理システムの構築・提供で連携することを発表します。IoTやビッグデータを活用したクラウド型の建物制御、監視システムの構築を行うことで、将来的な建物機能のさらなる高度化や、技能継承・人材不足といった社会的な課題に応えていきます。

(連携の目的)

  1. ICT業界・建設業界でそれぞれ多くの実績がある両社の最先端技術を組み合わせて実証することにより、今までにない次世代型の建物管理システムの構築を図ります。
  2. 高度化・複雑化する建物管理システムを、IoTやクラウドサービスなどを活用することにより、高効率で最適な運用を簡易に実現します。

(連携の背景)

  1. 高齢化や少子化により、建物管理に携わる人員の確保が難しくなり、クラウドによる集約管理や自動化への対応が求められてきています。
  2. 電力自由化などを受け、さらなる建物の高度化に対応できる建設設備やシステムの構築が求められています。
  3. IoTに関連するICTなどの技術革新により、これまで困難だった、様々な設備・環境の定常的なモニタリングや、機械学習(注2)によるビッグデータ分析が、安価なクラウド環境において容易に実現できるようになりました。日本マイクロソフトでもクラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」上で簡便に機械学習を実現する「Microsoft Azure Machine Learning」のプレビュー版を2014年7月より提供しています。
  4. 竹中工務店では、建物内での情報を統合して、クラウド上の情報やサービスとも連携させることで、建物機能を最適化し、建物設備運用の合理化を可能にするビルコミュニケーションシステム(R)(ビルコミ)の開発と実証を進めてきました。

(両社が連携して実施する取り組みとその意義)

 こうした背景から、日本マイクロソフトと竹中工務店は、次世代建物管理システムを Microsoft Azure 上に構築し、ビルコミとの連動によって、建物の設備運用を最適化することでサービスレベルの向上と入居者の満足度の向上を実現するシステムを竹中工務店東京本店で実証実験を行うとともに、2015年以降、ビルオーナー向けに提供していくことにしました。

ビルコミュニケーションシステム(R)

 次世代建物管理システムは、建物などで使用される様々な設備や環境センサーを相互に接続し、統合的にモニタリングと分析を行い、設備管理者の知見(知識とノウハウ)を学習することで、建物の管理負荷軽減と利用者の快適性、生産性の向上、エネルギー効率、運用管理コストの最適化を実現します。また、日本マイクロソフトが提供する、機械学習による分析を活用することで、これまで人の経験に頼っていた分析モデルの構築も自動で行い、分析とその結果を活用し、オフィス、工場などの様々な分野における効果的で効率的な建物管理運営の仕組みの提供を可能にします。

(両社の連携において、日本マイクロソフトが目指すこと)

 日本マイクロソフトは、次世代建物管理システムの構築において求められるM2M、クラウドプラットフォームを提供することで、建物の価値向上を支援していくとともに、これら機械学習の技術を様々な分野へ適用していきます。

(両社の連携において、竹中工務店が目指すこと)

 竹中工務店は、次世代建物管理システムをソリューションとして提供し、グループ会社である株式会社アサヒファシリティズと一体になって、お客様の建物の継続的な価値向上に取り組んでいきます。また、建物を、社会・人・サービスとつなげることで、それらに関わるすべての人々に新たな価値を提供する「竹中のSustainable Smart Community」実現を推進していきます。

両社の連携により構築・提供するソリューションの特長

  1. 集積したデータを Microsoft Azure Machine Learning により学習することで、制御モデルを構築し、構築した制御モデルを用いた熱源、動力の効率的な制御を行い、設備の管理負荷低減と、快適性の向上を実現します。
  2. 機械学習による制御モデルの構築、および制御モデルを用いた自動化された設備管理をソリューションとして提供することで、これまで人の経験に頼ってきたために設備管理者が割いていた多くのリソースやコストを大幅に低減できます。
  3. 設備内、および外部の環境(温度、湿度など)、人流、動力、設備設定、運用スケジュールなどのデバイス、センサーからの膨大なデータを Microsoft Azure に集積するサービスを構築します。Microsoft Azure の自動化されたスケーリング機能により、増え続けるデータソース、データサイズに柔軟に対応できるため、データの急激な増減に迅速に対応し、コストを抑えて高いパフォーマンスを実現します。

 各サービスの詳細は、下記Webサイトを参照下さい。

ビルコミュニケーションシステム(R):
http://www.takenaka.co.jp/solution/needs/smartcommunity/service01/index.html
Microsoft Azure:
http://azure.microsoft.com/ja-jp/

 
(注1)IoT(Internet of Things)とは、あらゆるものがインターネットを通じて接続され、管理や制御などを可能にするという概念。
(注2)機械学習とは、データの関連や規則性から、処理の方法などを自動的に学習して、判断させる仕組み。

マイクロソフトに関する詳細な情報は、下記マイクロソフトWebサイトを通じて入手できます。 

日本マイクロソフト株式会社 Webサイト http://www.microsoft.com/ja-jp/
マイクロソフトコーポレーション Webサイト http://www.microsoft.com/

 

*Microsoft、AZURE は、米国 Microsoft Corporation の米国及びその他の国における登録商標または商標です。
*その他、記載されている会社名、製品名は、各社の登録商標または商標です。

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