技術活用をあらゆる業界に: 完全なるリモート環境と目的に応じたデジタル化でより良い未来の実現へ

ジャドソン アルソフ (Judson Althoff) ワールドワイドコマーシャルビジネス担当 エグゼクティブバイスプレジデント

※ 本ブログは、米国時間 7 月 20 日 に公開された “Harnessing technology to adapt across industries: Customers embrace remote everything and purpose-driven digital for a better future” の抄訳です。

スリランカでは、クラウドベースのオークションシステムにより、COVID-19 の影響下でも買い手と売り手がソーシャルディスタンスを維持して 150 年の歴史を持つ紅茶産業を保護、200 万人近くの生活を守っています。

マイクロソフトの年次パートナーカンファレンスである Microsoft Inspire は、世界的なパンデミックの中でソーシャルディスタンスを保つべく、今年はすべてデジタル形式で開催されます。この新たな形式では、パートナーとコンテンツやアイデアを共有して関わりを深める方法に進化が求められる一方で、互いにつながりを保ち、今後影響力が高まる技術のトレンドを考え、マイクロソフトとパートナー共通のお客様に対してイノベーションを提供する機会をもたらすものでもあります。このような手法の変化は、あらゆる業界のお客様がさまざまな方法で新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) と共生する世界に適応しようとしている現れといえるでしょう。デジタルテクノロジを活用することで、お客様の復旧力は高まり、回復の速度は加速し、顧客ニーズを予測した対応ができるようになるのです。

FedEx とマイクロソフトは、世界的なデジタル物流ネットワークとインテリジェントクラウドの力を組み合わせた事業を展開しています。

この四半期の間に、お客様がこの変化を受け入れた事例が数多く誕生しました。新たな日常 (ニューノーマル) の中で、イノベーションと機会を見い出しつつ「すべてをリモートで」実行するようになったこともその一例です。FedEx とは、複数年にわたる協力関係において、エンドツーエンドのグローバルコマース体験を再構築する計画です。これにより、FedEx のお客様に機会が提供され、Microsoft Azure および Dynamics 365 を活用してデジタル化が進む中でも企業がより競争力を高められるようになります。

また、Walgreens Boots Alliance (WBA) および Adobe とのパートナーシップによるクラウドプラットフォームも発表しました。これにより、WBA のお客様はパーソナライズされたヘルスケアやショッピング体験ができるようになり、WBA のロイヤルティプログラムの強化と同社のデジタルトランスフォーメーションの進化へとつながります。

さらに、WorkdaySAS といったソフトウェア企業ともパートナー関係を継続し、Azure 上で新たなソリューションを大規模に展開、マイクロソフトとパートナー企業共通のお客様がわれわれのクラウドテクノロジで事業成果を高められるよう支援します。こうした企業や他の ISV とのコラボレーションにより、マイクロソフトはより再現性の高いソリューションを市場投入し、お客様のクラウドへの道のりを加速させることができるのです。

イギリスの Imperial College Healthcare NHS Trust では、Microsoft HoloLens を活用して医師を保護しつつ、COVID-19 のパンデミック下でも患者の診療を行っています。

ヘルスケア業界では、研究や初期診療が進化を続けており、感染症予防や治療、COVID-19 のワクチン発見に向けた取り組みが進んでいます。こうした取り組みをはじめとするさまざまな試みを支援しようと、マイクロソフトは Microsoft Cloud for Healthcare を立ち上げました。これは、マイクロソフト初の業界特化型クラウドサービスで、お客様とパートナーに信頼できる統合機能を提供、患者とのエンゲージメントを高めて医療チームとのつながりを保ち、コラボレーションや意思決定の向上と業務効率の改善を目指します。

また、ImmunityBio との提携も発表しました。この提携では、マイクロソフトのクラウドを駆使してコロナウイルスの計算解析を実施する予定です。さらに UnitedHealth Group とは、マイクロソフトのクラウドと AI 技術を活用した職場復帰の手順となる ProtectWall™ を立ち上げ、従業員の症状のスクリーニング管理や、より安全な職場環境の構築を支援します。

ロンドンでは、Imperial College Healthcare NHS Trust が HoloLens を採用しました。これにより、コロナ禍において病院内のリスクが高いエリアに入る必要のある臨床医の数が抑えられ、高い診療レベルが維持できるほか、毎週 1 病棟につき最大 700 点にもおよぶ個人用保護具 (PPE) が節約できます。

メリーランド州ボルチモアに拠点を置く Johns Hopkins では、Azure と AI の力と研究による専門知識を組み合わせ、同医療機関の inHealth Precision Medicine Analytics Platform をサポートしています。inHealth Precision Medicine Analytics Platform は、新たな医学的発見の促進と疾病管理の向上を目指すプラットフォームです。

NHSX/NHS Digital は、英国内の組織がパンデミックの第一線で働く人をサポートできるよう、120 万人の労働者に Microsoft 365 のデジタルツールを提供しています。また、米国太平洋岸北西部の大手健康保険会社である Premera Blue Cross は、内勤の従業員に Surface を 500 台導入し、200 万人以上の会員に健康と予防ケアを提供しています。

金融サービスでは、BNY Mellon が新たなデータおよび分析ソリューションサービスを 3 件発表したほか、マイクロソフトとの関係を拡大し、投資マネージャー向けのデータ、テクノロジ、コンテンツソリューションを構築すると発表しました。Volkswagen Financial Services は、DevOps の手法を採用、約 10ヶ 国における 80 の Web Apps で消費者および企業が VW の車や車体の購入・リースができるようにしています。さらにオランダでは、Rabobank が 4 万人の従業員を Microsoft 365 に移行して安全かつ協力的な職場体験を提供、お客様との関係強化と持続的な成長を実現しています。

製造および物流分野では、ソニーセミコンダクターソリューションズとのパートナーシップを発表しました。この提携では、AI を搭載したスマートカメラやビデオ分析がさまざまな業界でより簡単に入手でき、展開できるようになることを目指します。例えば、メーカー企業がスマートカメラを使い、誰かが負傷する前に製造現場の危険をリアルタイムで見つけるといった用途が想定されます。

また、日立製作所とのパートナーシップでは、復元力の高いサプライチェーンを構築し、第一線で働く人が予測メンテナンスやリモートアシスト機能を利用して生産性と作業効率を高められるよう取り組んでいます。さらに GE Aviation は、パンデミックの影響を受けたお客様が業務効率と俊敏性を高められるよう、同社の Azure ベースのイベント測定システムを利用している民間航空会社に対し、新たなデジタル燃料ダッシュボードを無償で提供すると発表しました。

カナダに拠点を置く Citizen Care Pod Corporation は、WZMH Architects、PCL Construction、Insight Enterprises、そしてマイクロソフトと協力し、経済活動の再開を支援するカスタムモバイルテストユニットを立ち上げました。

こうした技術は、業界を問わずさまざまな組織が事業継続計画の一環として、また業務および顧客体験のモダナイゼーション戦略の一環として採用しています。PCL Construction では、輸送用コンテナを改造しマイクロソフトのクラウドおよび AI 技術を駆使した Citizen Care Pods の製造と組み立てを開始しています。これにより、信頼性が高く患者に便利な COVID-19 の検査を目指します。

Capitol Records は、マイクロソフトの Power Platform を活用し、製品のライフサイクル全体でマーケティング情報を共有、複数の分野にまたがるプロジェクトを支援して合理化し、コストを削減し、ノーコードアプリケーション開発で従業員の能力を高めようとしています。競争力のある e スポーツ組織の Cloud9 は、データサイエンティストとマイクロソフトのクラウドを組み合わせて意味のあるインサイトを見つけ出し、個人やチームのパフォーマンスを高めることで、相手よりも優位に立てるようにしています。Chattanooga Film Festival にも協力の手を差し伸べ、マイクロソフトのクラウド上にて特集コンテンツや映画コンテンツをホスティングしたほか、Teams でライブイベントも行うなど、屋内避難命令が出ている中でもコミュニティにバーチャル体験が提供できるよう支援しました。

スリランカでは、同国の有名な紅茶産業がコロナウイルスによってほぼ完全封鎖状態となりました。そこで Sri Lanka Tea Board と Tea Traders Associations は、現地マイクロソフトのパートナーから協力を得、Azure と Teams を使った電子オークションシステムを開発、ソーシャルディスタンスを保ちつつ約 200 万人の雇用を維持しました。

組織がウィズコロナの世界に適応する中、組織の目的意識は新たな意味を持つようになり、技術革新を有益に活用するにあたって独自の能力が備わっている方向へと向かっています。この四半期はそのような傾向が数多く見られ、マイクロソフトはこのトレンドを「目的に応じたデジタル化」と呼んでいます。これは、テクノロジイノベーションを駆使し、ビジネスと社会の成果を有益なものへと導く人文科学なのです。マイクロソフトとして、この目的をここでお伝えしたいと考えました。また、お客様と協力して現在と未来にわたって新たなイノベーションを生み出すにあたり、信頼されるパートナーとなり、戦略的アドバイザーとなれることを光栄に思います。

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