SIMPLE THINGS COUNT 大切なマイルストーンを讃えて

※ 本ブログは、米国時間 7 月 23 日に公開された “SIMPE THINGS COUNT: Celebrating an important milestone” の抄訳です。

Jenny Lay-Flurrie
Chief Accessibility Officer

去る 7 月 26 日、私たちは「米国障碍者法」(Americans with Disabilities Act、以降 ADA) の 30 周年という、重要な節目を迎えました。ADA は過去、そして現在においても障碍がある人々の雇用機会、公共施設の利用、コミュニケーション、政府のプログラムやサービスへのアクセス、そして様々な場面で直面しうる差別の一切を禁じてきた画期的な法律です。ADA は人々の自立性、経済的な自足、アメリカンライフスタイルへの完全参加を促すとともに、障碍のある人々に障碍がない人と同じ機会や権利を保障し、2 つのグループが対等であるということを示しました。

障碍者の権利を主張するとしても、障碍がある人々の力となる技術的なイノベーションを行うとしても、全ての行動は一人ひとりの意思から始まります。障碍者支援活動で有名なジュディ ヒューマン (Judy Heumann) やトム ハーキン (Tom Harkin) 上院議員は、先陣を切って政策面における障碍者の制限を取り払ったことで、二人の意思に呼応した多くの多才なリーダーたちが水面下で変革の実現に力を注ぎました。障碍者にとってより住みやすい世界を創ろうと邁進した人々、そして ADA の成立 30 周年を讃えて、私たちは「Simple Things Count」という短編シリーズを発表します。この新しいアニメーションシリーズでは ADA の成立に貢献した人々、そして未来へと活動を導く次世代のリーダーといった 7 人の障碍者支援活動家をフィーチャーし、彼らを通して現実に起こりうるシナリオ、そしてよりアクセシビリティの高く、包括的な世界を実現するためのアドバイスが語られます。

障碍のある人への包括的な参入の実現への道はこれからも続きます。これまでに実現してきた進歩は障碍者コミュニティの全員が体感し、実感できるものでしたが、まだまだ取り組まなければならないことは残されており、現在ではこうした変革の機会への間口が広がり続けています。コロナウイルスによって人々がテクノロジを職場、自宅、教育現場、そして遊びにより利用するようになったことで、デジタルソリューションの優先付けが進み、アクセシビリティへの注目が過去に類を見ないほど高まりつつあります。隔離が始まった最初の数週で Disability Answer Desk は受けた連絡のボリュームが 200% に増加し、Immersive Reader は普段の 560% の使用率を記録し、Teams Captioning にいたっては過去数か月と比べ 30 倍にまで利用率が高まりました。かつてアクセシビリティが、デジタルの世界および現実世界でここまで重要になったことはありません。しかし同時に、世界保健機関 (WHO) によると、平均的に、障碍のある人の 10 名の内の 1 名しか、アクセシビリティの高いテクノロジが利用できていないことが判明しており、これからも引き続き、より人々を支援するテクノロジの敷居を下げ続ける必要があります。こうしたなか、これからの可能性を探るための一助として、私たちは皆さまの教育機会や、障碍のある人々を、諸手を挙げて迎え入れられるより包括的な職場環境の実現に向けたアクセシビリティ基礎トレーニングを準備しました。

ADA の成立から 30 年が経過した現在、私たちは正しい方向に進みつつありますが、まだまだこれからも進めなければならない改革は残っています。これほど重要なテーマに関わる政策や、認識をより良い方向へと改善するためには何十年、何世代に渡るたゆみない努力と時間が必要です。私たちのいる今にたどり着くにはハーキン上院議員やジュディ ヒューマンといった障碍者支援活動のパイオニアたちの並々ならぬ尽力が必要だったように、これからは同様の志をもったリーダーたちが、先哲の残した基礎に進歩を積み上げていかねばなりません。未来へと突き進むには、新世代のリーダーたちが前進を続け、人々に求められている変革を実現していく必要があります。興味のある方は、私たちと一緒に力を合わせ、専門家の方々の意見を聞いてみませんか? 小さなことから、コツコツと頑張ることこそ、肝要なのです。# SimpleThingsCount

本ページのすべての内容は、作成日時点でのものであり、予告なく変更される場合があります。正式な社内承認や各社との契約締結が必要な場合は、それまでは確定されるものではありません。また、様々な事由・背景により、一部または全部が変更、キャンセル、実現困難となる場合があります。予めご了承下さい。

Tags:

関連記事