Microsoft Emissions Impact Dashboard によるクラウドの持続可能性の向上

キース ハートグ (Kees Hertogh)
Global Industry Product Marketing 担当ゼネラルマネージャー

※本ブログは、米国時間 10 月 13 日に公開された “Empowering cloud sustainability with the Microsoft Emissions Impact Dashboard” の抄訳を基に掲載しています。

Microsoft Emissions Impact Dashboard によるクラウドの持続可能性の向上

クラウドサービスの規模が拡大するにつれ、その環境への影響を見過ごすことができなくなってきました。これが本日、マイクロソフトのクラウドをご利用のお客様が利用に伴う二酸化炭素の排出量を把握、追跡、報告、分析、削減するためのツール Microsoft Emissions Impact Dashboard の一般提供開始を発表した理由です。Emissions Impact Dashboard は、マイクロソフトが環境への影響に対処すると共に、お客様による環境への影響の軽減も支援するというコミットメントの一環です。

マイクロソフトは、2020 年 1 月に Microsoft Sustainability Calculator という名称で Emissions Impact Dashboard を提供開始しました。Emissions Impact Dashboard は、お客様が有意義で共有可能な情報を収集できるように設計されており、企業が持続可能なコンピューティングに関して、より多くのデータに基づいた適切な意思決定を行うための重要な洞察をもたらしてくれます。

Emissions Impact Dashboard は、マイクロソフトのクラウドサービスの利用に伴う温室効果ガスの排出量を透明化し、排出量の変化の根本原因への理解を深めてくれます。企業は、マイクロソフトのクラウド利用が自社の二酸化炭素排出量に与える影響を測定することができ、月別、サービス別、データセンター別に排出量を詳細に分析できます。また、まだクラウドに移行していないワークロードの情報を入力して、マイクロソフトのクラウドに移行した場合の排出量削減量を見積もることもできます。新たに追加されたデータ保護機能により、組織内の管理者が、ツール内の自社データの閲覧権限を管理できます。

メインダッシュボードでは、全体的な排出量と使用量の経時変化に加え、クラウド利用に特化した炭素効率の指標である炭素集約度を表示します。
図 1: メインダッシュボードでは、全体的な排出量と使用量の経時変化に加え、クラウド利用に特化した炭素効率の指標である炭素集約度を表示します。

クラウド利用の影響に対する可視化の拡大

この 1 年間、マイクロソフトは、Emissions Impact Dashboard に対して、マイクロソフトのクラウド利用に伴うスコープ 3 排出量の算定などの機能強化を行いました。スコープ 3 の排出は間接的であり、材料の獲得、製造、輸送、使用、ハードウェアの廃棄など、製品のバリューチェーン全体で発生します。

ダッシュボードは、スコープごとの二酸化炭素排出量を前年比で表示し、企業が傾向を把握し、クラウドサービスの利用に関して影響力のある意思決定を行えるよう支援します。
図 2: ダッシュボードは、スコープごとの二酸化炭素排出量を前年比で表示し、企業が傾向を把握し、クラウドサービスの利用に関して影響力のある意思決定を行えるよう支援します。

スコープ 3 の活動は、最大の排出源であることが多い一方で、その測定が困難な場合があります。第三者機関によって検証されたカーボンアカウンティングの手法を用いた Emissions Impact Dashboard により、様々なスコープのクラウドワークロードの二酸化炭素排出への影響度を幅広く把握することができます。これにより、さらに完全で正確な排出量の報告が可能となり、持続可能性に関してより良い意思決定ができるようになります。

情報分析プロバイダーの RELX は、この半年間 Emissions Impact Dashboard のプレビュー版を使用してきました。持続可能性は RELX の最優先事項であり、このツールが、同社のスコープ 1、2、3 の排出量を測定する、Power BI で構築されている Azure ベースのソリューション CO2.Hub の重要な構成要素の一つとなっています。

Emissions Impact Dashboard を巧みに活用しているもう 1 つの組織に、穀物・食料ソリューション、消費者向け食品、エネルギー効率の高い自動車や建築物の生産に貢献する先進的素材の開発で知られる The Bühler Group があります。2030 年までにカーボンニュートラルになるという目標を達成するために、同社はスコープ 1、2、3 の排出量を追跡する必要があると考えました。Emissions Impact Dashboard を使って、同社はマイクロソフトのクラウドサービスに関連するスコープ 3 の排出量を追跡や編集が容易な形式で追跡、集計し、スコープ 3 の全体的排出量をより正確に見ることができるようになりました。

デジタルイベント: What’s Next for Sustainability

マイクロソフトは、Microsoft Cloud for Sustainability などのソリューションを活用して、企業が持続可能性の目標をコントロールできるよう、イノベーションを推進しています。10 月 27 日 (米国時間) には、Microsoft Cloud for Sustainability による企業の総合的な環境フットプリントの記録、報告、削減の支援について、詳しくご説明します。マイクロソフトの持続可能性に関するニュースや取り組みについての情報にご関心のある方は、Web サイト What’s Next for Sustainability からご登録ください。

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