大きな期待: ハイブリッドワークを成功させるためのロードマップ

2022 年 3 月 16 日
Modern Work 担当コーポレートバイスプレジデント
ジャレッド ・スパタロウ (Jared Spataro)

本ブログは、米国時間  2022 年 3 月 16 日に公開された ”Great expectations: A road map for making hybrid work work” の抄訳を基にしています。

世界中の組織がリモートワークからハイブリッドワークへと移行しつつある中で、明確なことが 1 つあります。2020 年に在宅勤務を行っていた人々は、2022 年にオフィスに戻ってくる人々とは異なるということです。この 2 年間の経験を消すことはできないことから、従業員の期待がこれまで以上に高まっています。彼らは、柔軟性とともに対面の時間を求め、個人的な目標やウェルビーイングを優先したキャリア転換を図っています。また、マイクロソフトの 2022 Work Trend Index で得られた知見から、かつてのやり方にはもう戻れないことも明らかになっています。従業員の新たな期待を理解し、それに応えることが、今日のすべてのリーダーが直面している課題であり、ハイブリッドワークを成功させるための鍵となります。

第 2 回目となる本年次調査では、31 か国、31,000 人を対象にした調査結果に加えて、Microsoft 365 の何兆件もの生産性に関するシグナルと、LinkedIn の求人市場トレンドの分析結果などから得られた知見を紹介しています。企業や組織の経営幹部による今後の計画や、従業員が雇用主に求めるもの (退職もしくは残留の動機となるもの)、オフィスでの体験に求めるもの、価値のある働き方の実現におけるテクノロジの役割等について、現場から経営幹部までさまざまな角度から意見を伺いました。

この調査から、以下の 5 つのトレンドが明らかになりました。このトレンドは、ハイブリッドという未知の領域に進みつつある今日のリーダーにとってロードマップとなるものです。

従業員は新しい「価値の方程式」を持つ

仕事のやり方、場所、時間、さらには、理由が変化しています。仕事に何を求め、仕事のために何を犠牲にするかという人々の考え方が変化しています。マイクロソフトの調査から、53% の人々が仕事よりも健康やウェルビーイングを優先するようになったことがわかりました。これは空言ではありません。昨年、回答者の 18% が退職しているのですが、Z世代とミレニアル世代の 52% が今後 1 年間に転職を検討する可能性があり、グレートリシャッフル (Great Reshuffle、大量転職時代) がまだ終わらないことは明らかです。

マネージャーは、経営幹部と従業員の期待の間で板挟みになっていると感じている

このような従業員の新たな期待に応え続けることは容易ではありません。そして、それはマネージャーなしには不可能なことです。マネージャーは、従業員と最も近い距離にいるため、問題や解決策を最も理解している人材です。ただ、せっかくの知見も、マネージャーが行動できなければ意味がありません。たとえば、マイクロソフトの調査に見られるような従業員が柔軟性を求める声は否定できないものの、リーダーの 50% が今年、対面式オフィスへの完全な復帰を計画していると回答しています。この緊張関係はマネージャーにも及んでいます。マネージャーの 54% が、経営幹部の行動が従業員の期待とずれていると感じ、74% が自分のチームに変化をもたらすために必要な影響力やリソースを持っていないと感じています。そのような問題を解決し、マネージャーがチームをリードできるようにすることが、誰にとってもより良い結果をもたらすでしょう。

リーダーは、通勤に見合う価値のあるオフィスを用意する必要がある

今日、ハイブリッドワーカーの 38% が、いつ、何のためにオフィスに出社すべきかを知ることが最大の課題であると答えていますが、ハイブリッドワークのためにチームで新しいルールを設定したリーダーは 28% に過ぎません。また、43% のリモートワーカーが、会議に参加しているという感覚がないと感じていますが、全員が参加意識を持てるようにハイブリッド会議のエチケットを作成したと答えたリーダーはわずか 27% でした。今こそ、オフィスの役割を見直し、「誰が」「どこで」「何のために」対面して集うのかを意識的に考えるべき時です。このような新しい組織文化の規範があれば、オフィスが従業員の体験に貢献できるようになり、すべての従業員が同僚とのつながりを感じつつ、革新的で最高の仕事をすることができるようになります。

柔軟な働き方は「常時オン」を意味しない

Microsoft 365 の生産性関連の傾向を分析すると、会議やチャットが増加傾向にあり、従来の 9 時から 5 時までの勤務時間の枠を超えて頻繁に行われていることがわかります。実際、平均的な Microsoft Teams ユーザーの週あたり会議参加時間は 2020 年 3 月と比較して 252 %増加し、時間外および週末の作業時間はそれぞれ 28%、14% 増加しています。昼食時の会議を減らすなど、人々が自分のニーズに合わせて 1 日の過ごし方を変えているのは素晴らしいことです。しかし、柔軟な働き方を持続させるためには、マネージャーは新しい規範を作り、24 時間 365 日働き続けることが無いような境界線を設定する必要があります。

ハイブリッドな世界では社会的資本の再構築は異なる様相になる

リモートワークで最も痛感するのは人間関係に与える影響です。昨年の Work Trend Index では、チームの縦割り化が進んでいることが明らかになりましたが、今年の調査では、その 1 年後のトレンドを明らかにしています。ハイブリッドワーカーの過半数 (58%) がチームの絆を維持できている一方で、直属のチームとの関係が良好であると答えたリモートワーカーは半数しかおらず、チーム外の人々との関係が良好であると答えた人はさらに少ない (42%) ことがわかりました。ハイブリッドな世界では、人間関係構築の時間を優先し、取り残されるリスクの高いリモートワーカーや入社したばかりの社員へのサポートを強化することが重要です。

ハイブリッドワークには、入念に考え抜かれたアプローチが必要です。この移行は、新たな文化的規範に大きく依存する一方で、ハイブリッドな世界のために設計されたテクノロジ、つまりデジタルと物理的世界の橋渡しをし、すべての従業員が場所、時間、仕事のやり方に関係なく、参加し貢献できるようにするテクノロジも重要な役割を果たします。ここでは、ハイブリッドワークを実現する最新の製品イノベーションをご紹介します。

  • Outlook RSVP

ハイブリッドワーカーにとって共にいる時間を調整することが最大の課題となっている今、予定の計画を容易にすることが不可欠になっています。Outlook では、会議に対面で参加するか、リモートで参加するかを指定することができます。結局のところ、誰もいないオフィスに通勤したいと思う人はあまりいないでしょう。

  • Teams Rooms with Front Row

マイクロソフトの調査では、誰もが、どこに座っていても、ハイブリッド会議に参加していると感じられるようにすることが、ハイブリッドワークを成功させる鍵になることが示されています。Teams の Front Row 機能では、ビデオギャラリーが画面の下部に表示されるため、会議室にいる参加者は、遠隔地にいる同僚をまるで同じ部屋にいるかのように対面式で見ることができます。

  • Surface Hub 2 スマート カメラ

Surface Hub は、チームをつなぎ、新たな方法でコラボレーションを実現するための素晴らしいツールです。Microsoft Teams と Whiteboard 体験のアップデート、そして新しい Microsoft Surface Hub 2 スマート カメラの追加により、Surface Hub の利点が遠隔地の参加者にも及ぶようになりました。Surface Hub 2 スマート カメラは、自動リフレーミング、超広視野角、画像最適化機能を備えた、マイクロソフト初の AI 搭載カメラであり、会議室の大きさや構成によらず、遠隔地の参加者にファーストクラスの映像を提供するよう設計されています。

[日本での展開]

Surface Hub 2 スマート カメラ は、日本では 3 月 16 日より、マイクロソフト認定 Surface リセラーおよび DMP (Distributor Managed Partner※) 各社から販売開始し、Surface Hub 2S 85 インチとのセットでの提供は 5 月 31 日以降を予定しています。Surface Hub 2 スマート カメラの日本での税抜参考価格は 91,000 円です。詳細は下記を参照ください。
https://blogs.windows.com/japan/2022/03/17/empowering-collaboration-in-the-hybrid-workplace-with-surface-hub-2s-and-surface-hub-2-smart-camer/
※DMP (Distributor Managed Partner) は、2021 年 4 月 1 日より開始された Surface 正規代理店プログラムです。従来の Device Value Added Reseller Program (D-VAR プログラム) の後継にあたるプログラムです。

  • Teams Connect

ほとんどの組織がデジタルツールに依存しており、デジタルコラボレーションは組織の壁を越えています。Teams Connect により、複数の企業や組織を横断してシームレスで安全、かつ信頼性の高いコラボレーションをわずか数分で確立できます。テナントを変えることなく、全員が自分の Teams の環境にいながら、一つの拡張されたチームとして働くことができます。

  • PowerPoint Recording Studio と Cameo

会議に費やされる時間が以前より増加しています。会議の負荷を軽減するために、お客様は非同期のコラボレーションの新たな方法を必要としています。PowerPoint Recording Studio により、プレゼンテーションを行う自分自身を記録し、同僚が好きな時間に見られるように共有できます。また、Cameo により、スライドのどこにどのように自分が表示されるかを決めることができます。

  • Viva インスピレーション ライブラリ

マイクロソフトに加えて、Harvard Business Review や Thrive などの世界的な専門家によるソートリーダーシップ (thought leadership) やベストプラクティスを提供する、Microsoft Viva インサイトの新しいリソースを発表します。Viva インスピレーション ライブラリは、従業員が 1 日を有意義に過ごす手助けをするだけでなく、マネージャーやリーダーがチームの新しい日常を定義する際の指針にもなります。

これらのアップデートや、Microsoft Loop、Surface Hub、Whiteboard、Teams に関するその他のニュースの詳細情報は、Microsoft 365 ブログと、Windowsブログを参照ください。また、2022 Work Trend Index のレポート全文 (抄訳) と、地域/市場別グローバル統計 (抄訳) もぜひご覧ください。

ハイブリッドワークプレイスへの移行は、新しいテクノロジや企業ポリシーから始まるものではありません。それは、グロースマインドセットを受け入れ、仕事の進め方のほぼすべての面を再考する意欲を伴う組織文化から始まるのです。すべての社員はこの新しい働き方に適応するために新しいスキルを身につける必要があります。適切なサポートとツールがあれば、ハイブリッドワークはすべての人にとって働きやすい職場を創り出す可能性を引き出すことができます。

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