日本マイクロソフト株式会社
エンタープライズサービス事業本部 通信メディア営業統括本部 業務執行役員 統括本部長 石本 尚史
日本マイクロソフトは、“Revitalize Japan (日本社会の再活性化)” を 2022 年度のプライオリティとして掲げる中で、通信・メディア業界を含む日本の各業界のデジタルトランスフォーメーションの推進を支援しています。
現在、通信・メディア業界は、モバイル通信サービスの市場成熟やテレビ広告のネットへのシフトといった「既存ビジネスモデルの伸び悩み」、MVNO やサブスクリプション型動画サービス事業者といった「新たなプレイヤーの参入」、5G/6G の基盤展開や放送設備の構築・維持といった「設備投資による負担」などの課題を抱えています。両業界が変化に対応した新たな ”稼ぎ方” の構築を求められる中、それを支援するための日本マイクロソフトの取り組みについて紹介します。
■通信業界 –
「『次世代通信キャリア』の拡張性・信頼性・事業性を支援するパートナー」へ向けて
通信業界の抱える収益減および費用増の課題に対して、日本マイクロソフトは、主に 5G/6G を活用した B2B ビジネス拡大をご支援する「各業界キープレイヤーとのエコシステム」、主に B2C ビジネス領域拡大をご支援する「データ利活用のためのソリューションと実績」、次世代の通信インフラを支える「キャリアグレードのハイブリッド・ハイパースケールインフラ (Azure for Operators)」を軸に支援を展開していきます。
各業界キープレイヤーとのエコシステムの構築においては、これまで 5G を活用したビジネス創出支援に向けたプロジェクトをソフトバンク株式会社様と新たに立ち上げます。テクノロジラーニング、アイディア創出およびハッカソンによる MVP (Minimum Viable Product) 作成の支援を含めた取り組みを近日開始予定であり、すでに 10 社以上のスポンサー様からも賛同をいただいています。
B2C ビジネス領域拡大に向けたデータ利活用のご支援では、データ分析・活用内製化支援プログラム (OpenHack for Data や Azure Light-up for Data、Data Hack、Cloud Native Dojo for Data など) およびデータ分析・活用のためのソリューション (Azure Machine Learning や Azure Synapse、Azure SQL、Azure Cosmos DB、Microsoft Power BI など) を通信業界に対しても拡げていきます。また、これまでの金融やエンタメ・スポーツ、小売と言った業界でのデータ利活用実績を元に、これらのプログラムやソリューションの活用についてご提案していきます。
そして、「次世代の通信キャリア」への変革支援の中核をなすのが、2020 年の秋に発表した、Microsoft Azure 上の通信キャリア向けのクラウド基盤である ”Azure for Operators” です。
2022 年 2 月に開催された MWC 2022 では、Azure for Operators に含まれる新たな 4 つのソリューションとして Azure Operator Distributed Services、Azure Operator 5G Core、Azure Private 5G Core、Azure Public MEC を発表しました。
その中の Azure Operator Distributed Services は、AT&T 社の構築した Network Cloud を知的財産も含めて買収し、Azure for Operators に適用することにより実現しました。オンプレミス、エッジ、クラウドにおけるモバイルキャリアの仮想ネットワークを Azure から一括で運用管理するキャリアグレードのハイブリッドクラウドプラットフォームで、運用監視、オーケストレーション、セキュリティ等を提供します。現在はプライベートプレビューで、2023 年以降に一般提供予定です。
■メディア業界 –
「ニューノーマル下での新たなコンテンツ消費体験を協創するパートナー」へ向けて
一方、メディア業界においては、「データの統合・分析・可視化のためのソリューション・テクノロジ」、「業務のデジタル化のためのソリューション・テクノロジ」、「業務のデジタル化、データ利活用を推進するための体制構築・技術習得」を軸に支援を展開していきます。
具体的には、クラウドを活用した映像編集によるコスト効率化、系列局内でのリソースシェア、ネットメディアの活用等のメリットの創出、放送局のワークフローの End to End でのデジタル化などにより、メディア業界の変革に貢献しています。これらは、グローバルパートナーによる最新テクノロジを活用したソリューションを、国内のメディアに精通した SI パートナーと共に、同業界の事例やマイクロソフト自身の DX の経験を踏まえて提案することで実現しています。
既に宮城県の放送局では、ロケ中に撮影した動画をロケ先から Microsoft Azure で稼働するアビッドテクノロジー社の「Edit On Demand」に送り、同クラウド上で編集した動画を宮城の放送局でダウンロードして放送することに取り組んでいます。こうしたコンテンツ制作のワークフローをクラウド上で実現することにより、人員やコンテンツ制作に関わる設備コストを効率化するだけでなく、系列局間での編集エンジニアリソースや映像素材の柔軟なシェアリングや、クラウド上からのインターネットメディアへの送出などによる多チャネル展開の可能性が広がります。
また、業務のデジタル化、データ利活用を推進するにあたっては、現場の課題を出発点にしたデータの利活用やテクノロジの活用が重要です。
日本マイクロソフトでは、現場の課題解決へのデータ活用・テクノロジ活用をご支援するための仕組みを多くご提供しています。データ分析・活用内製化支援プログラムに加え、クラウド導入に向けた戦略フレームワークや基本的なアーキテクチャの提案、CCoE (Cloud Center of Excellence) 構築支援を通して、「DX の民主化」をメディア業界に向けて推進していきます。
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