すべての人にアクセシブルな Web 体験をお届けするために。マイクロソフトのコミットメントに関する最新情報

すべての人にアクセシブルなWeb体験をお届けするために。マイクロソフトのコミットメントに関する最新情報

リアット・ベン ズール (Liat Ben-Zur)
コーポレートバイスプレジデント

※本ブログは、米国時間 5 月 10 日に公開された “An update on our commitment to making the web more accessible for everyone” の抄訳を基に掲載しています。

マイクロソフトは、第 12 回となる年次イベント Ability Summit を開催しました。この無料のコミュニティイベントには、インクルージョンとアクセシビリティの未来の構想と構築のために、障碍のある人々、アライ (Ally)、そして、業界の専門家が集結します。マイクロソフトのアクセシビリティへの全社的取り組み、そして、テクノロジをインクルーシブにし、能力、学習スタイル、テクノロジへの習熟度にかかわらず、誰もがその恩恵を受けられるようにするという基本的信念をお伝えしています。

この 2 年間、ハイブリッドな働き方や学び方への移行に伴い、PC は生産性向上、人とのつながり、そして、娯楽にとってより一層、不可欠な存在になっています。インターネットは PC 体験の中核であり、Microsoft Edge は、誰もが自分に合った方法でインターネットを利用できるように、よりアクセシブルでインクルーシブな Web 体験を実現することにコミットしています。読み上げ機能、イマーシブリーダー、Microsoft Edge に組み込まれたエディター、そして最近では画像の説明の自動生成など、さまざまなニーズに応える機能により、この取り組みは大きく前進しました。

ある人のためにソリューションを設計すると、その恩恵が多くの人に及ぶことを、マイクロソフトは知っています。そのため、このイノベーションを推進するためには、コミュニティからのフィードバックが欠かせません。私たちは、これを単独で成し遂げることはできません。そして、よりアクセシブルな Web 体験を実現するための長い旅を始めたばかりです。Microsoft Edge が、ユーザーに合わせた Web 体験の提供を支援するためにこれまでに行ってきた取り組みを紹介していきましょう。

Microsoft Edge の画像説明の自動生成

画像は千の言葉に値しますが、どうすればそのアクセシビリティを向上できるのでしょうか? 視覚障碍のある人々の多くは、主にスクリーンリーダー (ページの内容を音声で読み上げる支援技術) を使って Web を体験しています。スクリーンリーダーは、画像や図表などの視覚的コンテンツにその説明 (代替テキスト、あるいは ”alt テキスト” と呼ばれます) が付与されている場合は、その説明を読み上げ、ユーザーがページの全ての内容を理解できるようにします。Web アクセシビリティにとって重要であるにもかかわらず、alt テキストは見落とされがちです。マイクロソフトの調査によると、スクリーンリーダーで処理される画像の半分以上で alt テキストが設定されていません。

このギャップを埋めるために、Microsoft Edge では、alt テキストが含まれていない画像1に対して自動生成された alt テキストを提供するようにしました。自動生成された alt テキストは、スクリーンリーダーなどの支援技術を使用するユーザーが、Web 上の画像の意味や意図を知るために役立ちます。この機能を試すには、edge://settings/accessibility にアクセスし、「スクリーンリーダー用に Microsoft から画像の説明を取得する」をお選びください。この設定が有効になると、機能の概要と追加のプライバシー情報へのリンクが表示され、継続の許可を求めるプロンプトが表示されます。この機能をオンにすると、スクリーンリーダーで読み上げられる画像に alt テキストがない場合、Microsoft Edge が alt テキストを提供します。この機能は 2 月に一般提供開始されましたが、皆様からご意見をいただき、さらに広くお使いいただけるようになることを楽しみにしています。

ユーザーに合わせた Web の体験

Microsoft Edge の音声による読み上げとイマーシブ リーダーは、このブラウザの提供開始以来、特に学習者と教育者の間で最も人気のあるツールの 1 つとなっています。オンラインで記事を読むときに記事以外の不要なコンテンツを簡単に取り除き、音声読み上げにより、ハンズフリーで複数のタスクが同時にこなせるなど、みなさまのお気に入りの機能になっています。こうすることで、誰もが自分流に Web を体験し、読むことができるのです。

読み上げ機能は、テキストの音声変換機能をすべての人にもたらし、読字障碍や ADHD (注意欠如・多動症) の方、特定の状況や怪我により一時的に障碍のある方、さらには、マルチタスクを行いたい人や目を休めたい方など、すべてのユーザーにとってより良い Web 体験を実現します。私たちは、音声ツールが、時間の経過と共に変化するニーズに合わせ、誰もがより効果的に Web を体験できるようにしてくれることを知っています。たとえば、記事の読み上げは、ADHD の方の集中力を高め、また、加齢による視力の低下にも有効です。読字障碍の方にとっては、自分で文章を読むのではなく、読み上げてもらうことで、より生産的な読書や学習が可能になります。英語読解を学ぶ生徒にとって、読み上げ機能は品詞の識別、ページの翻訳、行への集中は手助けとなります。また、複数の音声から選択できることで、自然な読み上げができるという評価もいただいています。40 種以上の言語向けに、クリアでシームレスな発音データが用意されています。

イマーシブ リーダーは、Web から容易に余分な情報を取り除き、読書に集中できるようにしてくれます。特に、ADHD や色覚特性のある方、そして、Web サイトの情報量が多過ぎると感じる方にはおすすめです。また、イマーシブ リーダーは自分の好みに合わせてカスタマイズできるため、何かを読むたびに個々の Web ページを調整するのではなく、Web 全体でフォント、文字間隔、言語、ページテーマを変更できます。

自信を持って Web 上で文章作成を

3 月には、Microsoft Edge に組み込まれた エディター2を発表しました。これは、私たちが慣れ親しんだ Microsoft Word や PowerPoint の編集ツールと同じ機能をブラウザに組み込んだものです。また、エディター においてテキスト予測機能3を展開していることをお伝えしました。この機能は、読字障碍や書字障碍の方、母国語でなく第二言語での執筆を行っている方、そして、基本的な文法やスペルミスの訂正を行いたい方など、すべての人の文章力アップに役立ちます。エディターは、仕事やプライベートなタスクをこなす際に、より明確かつ効率的に、自信を持って文章を書くことができるように支援し、オンラインの生産性を向上してくれます。これは、すべての人が自分なりの方法で Web を体験できるようにするための、マイクロソフトの取り組みの新たな一歩にすぎません。

Web のアクセシビリティを向上するためのツール

Web のアクセシビリティ向上には、私たち全員の力が必要です。あなたが Web 開発者なら、あるいは、Web 用のコンテンツクリエイターなら、インクルーシブな体験を実現するために重要な役割を担っていることになります。

皆様からの支援がとても大切

すべての人にとって Web をアクセシブルにするというこの旅の成功には、皆様からのフィードバックが欠かせません。誰にとってもより使いやすい製品やツールをデザインするために、皆様からのご意見が必要なのです。Microsoft Edge のフィードバックツール (「設定」メニュー、「ヘルプとフィードバック」→「フィードバックの送信」) からフィードバックを送信できますので、是非ご意見をお聞かせください。

マイクロソフトは、製品や Web サイトにおいて、WCAG などのアクセシビリティ適合標準を満たし、あるいは、それを上回ることにコミットしています。私たちが見逃している問題にお気づきの際は、是非お知らせください。直ちに修正いたします。

いつもながら、私たちのストーリーをご覧いただきありがとうございます。マイクロソフトは、地球上のすべての人とすべての組織がより多くのことを達成できるように支援することに注力しており、私は、Web がこのミッションに重要な役割を果たすと信じています。Web 上のアクセシビリティ実現とデジタルデバイド解消の取り組みはまだ始まったばかりですが、この重要な仕事を皆様と共に続けていくことを楽しみにしています。


1 次の画像タイプは、画像自動作成のキャプションサービスに送信されず、スクリーンリーダーにも提供されないことにご注意ください: 装飾として認識された画像、50×50 ピクセルよりも小さい画像、過度に大きい画像、および VisionAPI によって実質的にポルノ画像、残忍な画像、または性的なものを暗示すると分類された画像。

2 エディターは、スペルチェックがすでに利用できない Web サイト上で動作します。利用できる言語についてはこちらをクリックしてください。 KP (北朝鮮)、IR (イラン)、CU (キューバ)、SY (シリア)、UA (ウクライナ)、SD (スーダン) では、エディターはご利用いただけません。

3 2022 年 3 月より、英語、スペイン語、フランス語、イタリア語、ポルトガル語の各言語で展開が開始されます。文字予測機能は、Edge ブラウザでユーザーが最上位に指定した言語のみで提供されます。テキスト予測は、米国、英国、オーストラリア、カナダ、フランス、イタリア、ブラジル、メキシコ、コロンビア、アルゼンチン、チリに限定して提供される予定です。

本ページのすべての内容は、作成日時点でのものであり、予告なく変更される場合があります。正式な社内承認や各社との契約締結が必要な場合は、それまでは確定されるものではありません。また、様々な事由・背景により、一部または全部が変更、キャンセル、実現困難となる場合があります。予めご了承下さい。

Tags: , ,

関連記事