日本マイクロソフト株式会社 執行役員 常務 クラウド & ソリューション事業本部長 岡嵜 禎
※本ブログは、2023 年 1月 23 日に開催した報道関係者向け説明会を元に再構成したものです。
マイクロソフトは、「地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする」というミッションを掲げています。今回は、そのミッションを念頭に、日本の組織が DX 推進において抱える様々な課題を解決する、Microsoft Cloud の包括的なソリューションをご紹介します。
■6 つの領域で提案する DX ソリューション
日本マイクロソフト クラウド & ソリューション事業本部は、Microsoft Cloud のスペシャリストとして、主に 6 つの領域とサポートに関して、お客様の DX 推進における最適なソリューションを提案します。
クラウド & ソリューション事業本部は主に 3 つの分野に注力します。
- 専門性を活かしたクラウドビジネスの推進
6 つの領域、及びサポートサービスに関して、それぞれのエキスパートがお客様の課題に深く寄り添い、最適解を提案。 - ユーザー、パートナーと共に成長する仕組みづくり
日々増大するお客様のクラウド活用ニーズに応えるため、お客様やパートナーと共に成長できる仕組みを構築。 - 体験を共有し、お客様の DX を加速させる
お客様へソリューションを実際にお見せすることで実感を持っていただくとともに、マイクロソフト自身がトランスフォーメーションを通じて習得した様々なノウハウを提供。
■Do more with less の実現に向けた 5 つの取り組み
IT 部門に限らず様々なビジネス領域において、世界はデジタルスペースへ、かつてないほど速く移行しています。一方で、DX を推進するための人材や時間は不足しており、”Do more with less”、より少ないリソースでより多くを実現させることが重要です。ここではマイクロソフトが実践する 5 つの支援をご紹介します。
1.よりデータドリブンに、業務を最適化
データドリブンな改革は、売上増加、市場投入までの時間削減、顧客満足度の向上、無駄の認識による利益拡大など、様々なメリットをもたらします。しかし、その必要性を理解しつつも活用に至らない企業が多く見受けられます。マイクロソフトは、道半ばのお客様に向けて、Microsoft Intelligent Data Platform による、より効果的なデータ活用の推進を支援します。Microsoft Intelligent Data Platform は、最新のデータアーキテクチャにより、データを貯めるデータベースと分析をシームレスに連携し、データ活用のスピードを加速させます。また、データベースへのデータの蓄積にとどまらず、人と人との連携を加速させるデータチームのコラボレーションにより、生産性を向上させます。さらに、データと AI をシームレスに融合させるプロセスの構築により、イノベーションを加速させます。
横河電機株式会社は、Azure Databricks と Azure Synapse Analytics を中心に据えたデータアーキテクチャの構築及び活用のための仕組みづくりにより、データドリブンな改革で業務を最適化しました。ERP や CRM などの IT データと、工場系のシステムから排出される OT データをシームレスに融合。さらにはそのデータがどこで発生し、どこに活用できるかを Microsoft Purview 内に実装されているデータリネージュ機能で可視化、必要なデータのスピーディな検知を実現。新しいものづくりや業界における差別化など、ビジネスの推進に繋げています。
2. 自動化+ AI で業務の効率化
マイクロソフトが保有するソリューションや製品、クラウドサービスに AI を組み込み、提供の精度を上げています。例えば Microsoft Teams では、言葉の正確性や翻訳精度を AI で向上させています。また、お客様の業務や保有データへの AI 活用も支援しています。
マイクロソフトは、お客様の AI の成熟度と活用方法に応じて、AI のエキスパートや、機械学習のモデルを作れる方向けのサービスとして Azure Machine Learning、より簡単に AI の機能を活用できる、カスタム可能な学習済み AI モデルである Azure Cognitive Services、特定のユースケースに合わせて AI を適用する、業務シナリオに特化した Azure Applied AI Services といった、様々な形態の Azure AI を提供しています。
Azure Open AI Service が General Availability になっている点にもご注目ください。マイクロソフトと Open AI のパートナーシップにより、大規模言語モデルである GPT-3 や Codex、DALL-E の利用を実現しました。また、AI や IoT, デジタルツインなどのテクノロジ融合による Metaverse の実現も進み、実際の業務内での活用も始まっています。
3. 開発者向けプラットフォームでイノベーションを創出
日々進化するクラウドには、仮想マシンやコンテナ技術の適用から、ローコード、ノーコードまで様々な形態があります。マイクロソフトでは開発者向けのテクノロジを包括的に揃え、Microsoft Azure によるアプリケーション開発支援のほか、GitHub、Visual Studio、Power Apps などのソリューションを提供。様々なニーズへ柔軟に対応します。特に、統合型ローコード、ノーコード開発ツールである Microsoft Power Platform は、企業の DX 推進に伴うエンジニアの育成が伴わないケースも多く、ビジネスサイドのエンドユーザーを中心に利用が増えています。
最近では、プロ開発者と、ローコード、ノーコードを使用する市民開発者のコラボレーションによる、フュージョンデベロップメントの取り組みも活発です。東京地下鉄株式会社では、Azure AI と Power Apps を活用し、「線路設備の異常を検知するソリューション」を内製で構築。AI の知識を持つプロ開発者が API サービスを作り、ユーザーサイドのニーズが高いパラメーターの入力などは Power Apps を使い、市民開発者が手掛けています。
次に、マイクロソフトの提供する内製化支援プログラムをご紹介します。
- AMMP (Azure Migration & Modernization Program)
クラウド移行、モダナイゼーションを、4 つの領域から包括的にサポート。方針や組織戦略、実行環境の整備、エンジニア支援など、具体的なソリューションアセスメントを提供。 - Azure Light-Up、Cloud Native Dojo+Open Hack、Data Hack
アプリケーション開発、データ分析に特化したサポート。マイクロソフトの開発者やパートナーが寄り添い、具体的なアプリケーションやデータ AI に紐づくプログラム構築と実装を支援。 - MICUG (Microsoft Cloud Users Group for Enterprise)
プロ開発者、市民開発者の連携を加速させるコミュニティ活動を支援。クラウドを活用しノウハウを共有、互いの成長を促進できる場に。開始わずか数か月で会員数 4,000 名を突破。 - マイクロソフト DX ユーザー会
市民開発者に特化した交流の場を提供。情報や事例の共有、技術習得に加え業界交流も促進。MICUG とも一部連携し相乗効果を向上。
4. 仕事のやり方を変革し、従業員を再活性化
Microsoft Work Trend Index2022 によると、73% の従業員が今後も柔軟な働き方を希望する一方で、オフィスでのコミュニケーションを重視する従業員は84%にのぼります。この相反するニーズを満たしつつ、活力のある組織づくりの実現のため、マイクロソフト自身が日々実践するノウハウを、ハイブリッドワーク体験会などを通じて提供しています。
- Teams Rooms の活用
全ての会議に Teams Rooms を導入。会議室と Teams がシームレスに繋がるハイブリッドミーティングを実施。距離感なく打ち合わせできる環境を整え、柔軟な働き方を推進。 - ハイブリッドコラボレーションのハブとして Teams を活用
ワークフローやアプリケーションの実行をはじめ、打ち合わせや日々のチャットのやり取りまで Teams に情報を集約し共有。リモート環境でも繋がりのある働き方を実現。 - Microsoft Viva
従業員のウェルビーイングを向上させる Employee Experience Platform を提供。社員同士の交流を支援しながら、企業文化や福利厚生の浸透、知識の共有を含め、ハイブリッドワークの実現性を可視化。
5. あらゆるもの、人、場所を保護する。
データはもちろん人や場所も含め、セキュリティ対策は常に重要です。複雑化する世の中でサイバー攻撃は増加し、巧妙化しています。マルチクラウド環境が当たり前の現代では、オンプレミスとパブリッククラウドとの融合、さらには複数のクラウドを活用するケースもあります。外部からのアクセスを前提にセキュリティを担保する必要性があり、一方で予算や人材は限られています。マイクロソフトでは、様々な条件を踏まえた最適なソリューションを提供します。
セキュリティ対策の最前線に立つマイクロソフトは、120 か国に及ぶ 785,000 以上の組織へ、セキュリティシステムを導入。昨年 1 年間で 43 兆の脅威シグナルを受け 8,500 人のエキスパートが 700 億の攻撃を阻止し、日々その仕組みを強化しています。
さらに、Microsoft Cybersecurity Reference Architecture (MCRA) という形で安心安全な仕組みづくりに加え、運用ノウハウをウェブサイトで公開しています。また、MCRA をベースにした CISO (Chief Information Security Officer) 向けのワークショップも提供。お客様のシステムに踏み込んで、具体的なセキュリティ対策を支援しています。
■マイクロソフトテクノロジーセンター (MTC) のアップデート
28 カ国の地域で 43 のチームが、インダストリーとテクノロジの知見を用い活動。各地域の DX 支援活動に加え、その事例やノウハウを横断的に共有しています。ここでは、MTC が特に注力している 2 つの領域についてご紹介します。
- ストラテジーブリーフィング
マイクロソフトの持つ知見やストラテジーをもとに、専門性の高いメンバーによるヒアリングとディスカッションを通じ、お客様が抱える様々なテーマについて意思決定層を中心に支援。 - エンビジョニングワークショップ
人材不足により、システム開発の初期フェーズが推進できないお客様を支援するため、目的や課題などを定める企画段階からワークショップ形態で伴走。結果に繋がるシステム開発を支援。
また、MTC にはハイブリットワークを体験できる MTC Rooms が用意されています。意思決定層へ向けた Envisioning Theater や Executive Briefing Room をはじめ、生産性の高い会議や体験会を実現できる Experience Room、製品・サービスに触れる Innovation Factory、最新設備を導入した Teams Room など、様々な体験を提供しています。
マイクロソフトは、これからも「地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする」というミッションに基づき、日本の組織が DX 推進において抱える様々な課題の解決に取り組んでまいります。
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