Microsoft Education の新カテゴリーツールがパーソナライズされた教育を再創造

Microsoft Education の新カテゴリーツールがパーソナライズされた教育を再創造

※本ブログは、米国時間 2 月 9 日に公開された “Reimagine personalized learning with new category of tools from Microsoft Education” の抄訳を基に掲載しています。

これまで以上に多様な児童・生徒 (以下 生徒) のニーズに対応する必要がある中、個々の生徒に合わせた学習方法が求められています。それぞれの生徒に合わせた教育を提供するのは困難な課題です。生徒一人ひとりの学習の機会を増やし、丁寧なフィードバックを作成・分析・提供するのは時間を要する作業です。テクノロジのサポートなしには、個人の進捗とクラス全体の傾向を一貫して把握することは困難です。しかし、強力なリテラシーと批判的思考力を身につけ、将来に備えるために、すべての生徒のニーズを満たすことが、今まで以上に重要になっています。

本日、マイクロソフトの年次イベント Microsoft Reimagine Education において、複数の教科における生徒の進捗状況の取得・レビュー・分析をサポートし、効率化するための新たなカテゴリーの学習ツール Learning Accelerators を発表します。Learning Accelerators には、Coach ツールと Progress ツールが含まれます。Coach ツールは、生徒にリアルタイムの指導と自己学習の機会を提供します。Progress ツールは、教師が課題をパーソナライズし、有効なインサイトに基づいたフィードバックや指導を行えるように設計されています。これらのツールは、学校が安全でインクルーシブな環境の中で、生徒一人ひとりの可能性を最大限に引き出せるよう支援します。

「生産性と創造性を高める製品・機能・体験を構築することで、世界中の学生に門戸を開くことがマイクロソフトの強い願いです。」
会長兼 CEO サティア ナデラ (Satya Nadella)

それでは、Learning Accelerators に含まれる新しいアップデートとツールの発表内容の詳細を見ていきましょう。

Reading Coach Reading Progress による流暢さと理解力のアップデート

Reading Progress と Reading Coach を Learning Accelerators の新たなカテゴリーに加えるとともに、今年後半に提供されるアップデートも発表します。これらのアップデートには、Reading Progress への理解度チェックテストの追加、Immersive Reader への Reading Coach の提供予定などが含まれます。

Reading Coach

Reading Coach が、Word Online、OneNote、Microsoft Teams Assignments、Minecraft Education、Flip などにおいて、Immersive Reader に組み込まれるようになりました。この統合は、すべての生徒に流暢に読むための練習とリアルタイムのフィードバックを提供し、ウェブや Immersive Reader をサポートする Microsoft 365 アプリ上で読書に集中できるよう支援します。

マイクロソフトは、すべての教室におけるリテラシーと批判的思考力の向上を支援するために、ツールの改良を続けています。教師は、Reading Progress によって生徒に理解度を評価する問題を出せるようになりました。

Reading Progress と Reading Coach は、116 以上の言語に対応し、すべての学習者が利用できるようインクルーシブに設計された機能を含んでいます。これらのツールや新しいアップデートに関する追加情報については、Tech Community Education Blog をご参照ください。

Search Coach and Search Progress により、情報リテラシースキルを容易に獲得

調査によると、中学 1 年生以上の生徒で事実と意見を区別できるものは、10 人に 1 人以下です1。教師は、情報リテラシーについて適切に指導し、生徒がどこでどのようにして情報源を見つけたかを容易に検証できるテクノロジを必要としています。Search Coach と Search Progress は、生徒が批判的に考え、教室で自信を持って検索し、より強力な情報リテラシーのスキルを身につけるための学習ツールです。これらのツールは、広告のないオンライン環境で、効果的なクエリの形成や信頼できる情報源の確認について、生徒にリアルタイムのコーチングを提供します。また、教師は、生徒が教室でどのように検索を活用し、情報リテラシー能力を高めているかについての洞察を得て、指導や課題のパーソナライゼーションに役立てることができます。

Microsoft Bing SafeSearch がデフォルトで有効になっており、生徒はアダルトコンテンツをブロックするフィルターを通したサイトのみを見ることができ、安全な教育環境の中で、コンセプトを実践し、情報リテラシー能力の構築に取り組むことができます。

Microsoft Teams Search Coach のご紹介

生徒にとって、検索結果を効果的にフィルタリングして関連性の高い情報を見つけることは困難なことがあります。第一線の専門家、図書館員、教師からのフィードバックに基づいて開発された構築された Search Coach は以下の機能を備えています。

  • 効果的なクエリの作成、信頼できる情報源の特定と確認についてのリアルタイムのコーチング
  • 検索結果ページに含まれる、毎日の検索ヒントと目的別ヒント、関連する情報源を見つけるために役立つフィルターオプションなど
  • パーソナライズされたレッスンのために教師が簡単に設定でき、生徒が特定のコンセプトに関する追加の自主練習のために検索をより具体的にできる、カスタマイズ可能なフィルター
  • オプションのフィルターとして、教師が有効にできる Fact Check ボタンや、教師が生徒のために独自のサイト・リストを作成するオプションを用意

Search Coach は、あらゆる年齢層の、さまざまな習熟度の生徒に対して、個別指導ができるよう教師をサポートします。Search Coach は、初めて研究課題に取り組む小学 2 年生であっても、高校に入学したばかりの生徒であっても、アクセスしやすく、安全で、協力的な学習体験のイノベーションを提供します。

「私たちは、コンピュータは道具であり、あらゆる教科で使えるものであることを生徒に教えたいと考えています。検索方法を学んだ生徒たちは、自分が知りたいことは何なのかを考え、その答えを見つけることができるようになりました。私にとって、これは大きな違いです。私は、デジタルリテラシーを身につけ、オンラインリサーチの方法を理解した学生を世界に送り出しているのです。」
– Napier Boys’ High School デジタルテクノロジ責任者 ジョン ステイプリー (John Stapley)

Search Progress により、Teams for Education 内で、教師は、実用的な洞察の支援により、短時間で、生徒個人・小グループ・教室全体に向けた練習課題を作成・レビュー・分析し、生徒の学習を指導し、進捗を管理できるようになります。このツールは、以下の機能を備えています。

  • 生徒は、パーソナライズされた課題をこなし、情報源を収集し、自分の作業とそのアプローチの背後にある理由を示しながら、教師からのフィードバックを受けることができます。
  • 教師は、課題に必要な情報源の数をカスタマイズでき、これまで以上に長期的にインサイトにアクセスできるため、進捗状況や傾向をより簡単に追跡し、確認できるようになります。そのため、教師は、生徒が結果ページ中の最初のサイトしか選択していないか、統合された NewsGuard ボタンや他のフィルターを活用して情報源を確認しているか、どの検索が最も効果的と考えたか、なぜそう考えたのかなどを追跡できます。
  • 生徒に、批判的思考力をさらに高めるために重要な、自分の推論を伝える練習を定期的に行う機会を提供します。

Search Progress は、情報リテラシーと批判的思考のスキル獲得を加速するために、わかりやすく、パーソナライズされた体験を提供します。本日のイベントで、副会長兼プレジデントのブラッド スミス (Brad Smith) は次のように述べています。

「この Learning Accelerators は、マイクロソフトが目指してきたことをより効果的に実現するためのものだと考えています。すなわち、生徒がよりよい学習方法を身につけられるよう教師を支援するということです。マイクロソフトはこれを大規模に実行しています。正直なところ、同様のことをできる企業は世界でも数少ないでしょう。」

現在、Search Coach は Teams for Education に組み込まれており、全世界で利用可能です。Search Progress プレビュー版は、今年後半に提供開始される予定です2。両ツールとも 50 種以上の言語に対応する予定です。詳細情報は、Microsoft Stories Blog および Tech Community Education Blog をご参照ください。

Speaker Coach Speaker Progress で、自信のあるスピーカーとプレゼンターを育成

批判的に考え、自分の考えを発展させ、考えをより明確に発表する能力は、今日の世界における基本的スキルです。Speaker Progress と Speaker Coach は、生徒のスピーキングやプレゼンテーションのスキルを向上するためのツールです。このツールは、受講者が自主的に練習できるようにし、リアルタイムのコーチングを行うことで、プレゼンターとしてのレベルアップと自信の確立を支援します。Speaker Coach は、Microsoft PowerPoint、Microsoft Teams、LinkedIn に組み込まれています。Speaker Progress は、Microsoft Teams Assignments 内で提供される予定です。

多くの生徒が、自分の話し方やプレゼンテーションのスキルについて十分なフィードバックを受けていないと述べています。Speaker Coach は、生徒の話し方のペースや調子、インクルージョンへの対応、つなぎ言葉の使用などを評価し、リアルタイムでフィードバックを提供します。生徒は個人的に練習することができ、Speaker Coach が説得力のあるプレゼンテーションを行うためのヒントを提供し、自信をつけ、プレゼンテーションの不安を取り除き、批判的思考のスキルを活用できるよう支援します。Speaker Progress は、生徒・グループ・教室全体における、スピーチやプレゼンテーションの課題の作成・レビュー・分析のプロセスを合理化することで、教師の時間を節約する新しいツールです。教師と生徒は、プレゼンテーションスキルの主要な分野と改善点をまとめて閲覧できます。また、教師は、自動的にアップロードされた生徒の録画の確認、進捗状況の管理、そして、Education Insights による生徒のニーズの把握を短時間かつオンデマンドで行うことができるようになります。

現在、Speaker Coach は Microsoft PowerPoint、Microsoft Teams、LinkedIn において英語で利用可能です。Speaker Progress は、2023-2024 年度に、Teams for Education 内においてプレビュー版が利用できるようになる予定です3

Math Coach Math Progress で数学の習熟度とリテラシーを強化

全米教育統計センター (NAEP) によると、パンデミックにより、数学の成績は、成績上位者を含めたすべての層で低下しています4。数学のリテラシーを強化するためには、生徒に合わせた問題演習が必要です。各生徒にとってどの概念が最も難しいかを定期的に分析し、進捗と傾向を把握し、あらゆるタイプの学習者に合わせて指導をカスタマイズするには、きわめて多くの時間を要します。Math Progress と Math Coach は、生徒に追加の練習、リアルタイムのフィードバック、有効なヒントを提供し、教師が生徒個人や教室のために課題を作成し、復習プロセスを合理化できるよう支援します。

多くの学習者にとって、数学で最も難しい点のひとつは、方程式から解までに至るステップを理解することです。Math Coach は、問題の各パーツを分解し、各ステップや操作をより詳細に説明することで、特定の解に到達した理由と方法をより批判的に考えるよう支援します。Math Progress は、教師の練習問題作成を支援し、生徒がどの概念を難しいと考えているかを特定し、フィードバックや個別サポートをより効率的に提供できるように支援します。これらのツールは連動して動作します。Math Coach は、教師の意見や Math Progress の過去の課題から得られた知見に基づいて、生徒のために追加の練習問題を生成します。また、学校は数学の習熟度に関するデータを活用して、傾向や進捗状況を把握し、結果の向上に役立てることができます。

Math Progress と Math Coach は、2023-2024 年度内に Microsoft Teams for Education においてプレビュー版が利用できるようになる予定です5

Education Insights Premium Windows 11 のアップデート

さらに、Education Insights Premium が、無償の Office 365 A1 ライセンスを含む Microsoft 365 Education のすべてのバージョンで提供されることを発表します。Education Insights Premium は、教育機関のリーダーが組織全体で生徒の学業進捗とウェルビーイングを監視できるようにし、実用的な洞察で学習成果の向上を支援します。生徒の安全・プライバシー・セキュリティを考慮して設計されており、学校は業界標準に準拠しながら生徒をサポートできます。

また、Windows 11 にも複数のアップデートが提供されます。Windows 11 Pro Education に今月末に提供予定のシンプルサインイン機能により、生徒は、Clever や Google などのサードパーティの ID プロバイダを使って、デバイスに迅速かつ簡単にサインインできるようになります。

教育現場が急速に変化し続ける中、マイクロソフトは、すべての生徒が将来に備えるためのアプローチを革新するために、学校への支援を続けていきます。新しいLearning Accelerators は、リテラシー向上にフォーカスしたツールをさらに充実させ、教師・学校・地区と協力して、教室での学習を加速する方法を再創造できるよう支援していきます。加えて、マイクロソフトはソフトウェアとサービスによる助成の提供により、世界中の 2 億人以上の学生と教職員を支援してきました。マイクロソフトは、世界中の学校において、教師による指導のパーソナライゼーション、インパクトのある洞察に裏付けられた安全な学習体験の提供、そして、あらゆる教室のあらゆる学習者の多様なニーズへの対応を支援することにコミットしています。

1 調査結果 – PISA (oecd.org)
2 Northern Hemisphere (北半球) のみ
3 Northern Hemisphere (北半球) のみ
4 National Assessment of Educational Progress (NAEP) 2021 School Survey, Institute of Education Sciences
5 Northern Hemisphere (北半球) のみ

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