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2022 年春の Microsoft 365 におけるアクセシビリティ新機能をご紹介

ハイブリッドな職場でニューロダイバーシティを支えるインテリジェントツール: 2022 年春の Microsoft 365 におけるアクセシビリティ新機能をご紹介

アレシュ・ホルチェック (Aleš Holeček)

※本ブログは、米国時間 4 月 19 日に公開された “Intelligent tools to support neurodiversity in the hybrid workplace: What’s new in Microsoft 365 accessibility for Spring 2022” の抄訳を基に掲載しています。

4 月は世界自閉症月間です。これを機に、Microsoft 365 における仕事に集中できる機能や、効率的に読み書きができる機能などがいくつか改善されたことを紹介したいと思います。こうした機能はあらゆる人に役立つものですが、自閉症や ADHD (注意欠如・多動症)、ディスレクシア (読字障碍)、ディスプラクシア (統合運動障碍) など、特に認知機能が異なる人たちにとって重要な機能です。こうした人たちは、人口の 40% を占めると推定されています。

私は若い頃にディスレクシアと診断されたので、この数値には理論的な統計以上の重みを感じます。若い頃には読み書きに苦労し、それが要因で他に何をするのも大変でした。そのため、よくこうした作業から離れ、スキーや音楽などに時間を費やしていたものです。

何とか読み書きから逃れようとしていたものの、結局はこうした作業が人生の一部であると気づき、読み書きを手助けするツールを開発する必要があると感じました。読むことに関しては、文字数によって単語を区別するというコツをつかみ、消去法で素早く単語を絞り込んでいきました。

それが、Office アプリケーションのアクセシビリティ機能が拡張されたことで、いつのまにか私はイマーシブリーダーやエディター、類語辞典といった機能を積極的に使うようになりました。自らつかんだコツに頼ることもなくなり、テクノロジを活用して課題を克服していったのです。これにより、物事を成し遂げる方法も完全に変わりましたし、思いもよらなかった形で新たな自信も生まれました。

こうしたツールは継続的に改良・拡張されています。ここで、集中力や生産性を高める Microsoft 365 の最新機能を詳しく見ていきたいと思います。今回紹介する機能は、ニューロダイバーシティ、つまり神経的に多様性のある人にとっても、標準的な神経を持つ人にとっても役立つものとなっています。

集中力を高める機能

ハイブリッドワークやリモートワーク環境で常に通知が流れてくると、気が散ってしまうものです。特に、神経的多様性のあるお客様からは、Microsoft Teams における通知の流れを制御する方法を増やしてほしいとの意見をいただいていました。そこでその意見を反映し、今四半期は Teams の通知をカスタマイズしたり、減らすことができる機能を追加しました。数か月前には、アクティビティフィードの個々のアイテムを右クリックしてフィードの通知を設定するオプションを公開しています。また先月は、ミーティング中の通知をミュートするオプションも追加しました。この設定は、すべてのミーティングに適用することもできますし、ミーティングごとに適用することも可能です。この機能についての詳細や、Teams のアラートをカスタマイズするにあたって用意されたその他すべてのオプションの詳細は、Teams の通知を管理するをご覧ください。こうしたオプション以上の機能をご希望の場合、Microsoft Viva のユーザーであれば Viva インサイトが利用できます。集中プランに登録し、集中時間を自動で予約したり、集中時間中に見たり聞いたりする内容をカスタマイズしたり、集中時間の目標の進捗状況に関するインサイトを入手してみましょう

Microsoft Teams のミーティングで通知をミュート
Microsoft Teams のミーティングで通知をミュート

集中力を高めるもうひとつの方法は、関係のない情報を視界に入れないことです。最近 Teams では、ミーティングで自分の映像を非表示にしたり、チャットの密度の設定をカスタマイズしたりと、Teams の表示を簡素化する方法を導入しています。ミーティングで背景をぼかす、カスタム背景を使用することでも、ミーティング相手の集中力を高められます。この機能は、Teams のデスクトップ版とモバイル版だけでなく、Web 版でも利用できるようになりました。また、関係のない情報は視界以外からも入ってきます。そこで、現在 Stream ではノイズ抑制機能を展開中です。これにより、音声録音内の関連性の高い部分に焦点を合わせやすくなり、集中力が高まります。Microsoft Teams でインクルーシブなミーティングやライブイベントを行う際のヒントは、こちらをご覧ください。

読み書きのサポートと能力向上に向けて

先ほどライティングツールや校正ツールによって私の働き方が大きく変わったとお話ししましたが、マイクロソフトでは継続的にこうした機能を改善、拡張しており、新しいテキスト予測オプションや、音声およびオーディオツール、アクセシビリティの高いオーサリング機能などに取り組んでいます。

テキスト予測や返信提案といった機能は、間違いの防止やライティング作業の簡素化につながるので、当社では常にこうしたツールをより多くのシーンに組み込む取り組みを進めています。最近ではテキスト予測機能を iOS および Android デバイスの Outlook にも展開したほか、Outlook の返信提案機能を日本語、タイ語、トルコ語にも拡張しました。今後はさらに多くの言語に対応する予定です。また Excel では、ドロップダウンリストにオートコンプリート機能を追加したことで、データの入力と検証がより迅速かつより簡単にできるようになりました。Outlook で返信提案を利用する方法についてはこちらを、Excel でドロップダウンリストを作成する方法についてはこちらをご覧ください。

Excel におけるドロップダウンリスト採用時のオートコンプリートの動作 (写真提供: NASA)

書かれた文字に頼らず、音声やオーディオツールを活用することで、さまざまなユーザーがより効果的に作業できるようになります。ディスレクシアのある人であれば、文字を入力するよりも話すことでミスが防げます。ADHD の人であれば、音声入力によってその瞬間の考えを把握し、流れに乗ることができます。また、視覚に障碍のある人や運動機能に障碍のある人、子どもを抱きながら仕事をしていて一時的に制約がある人なども、音声やオーディオツールでアクセシビリティが高まります。Office アプリケーションにはこれまでにも音声入力機能がついていましたが、今四半期は Windows 版の Microsoft Word に音声検索機能を追加しています。これにより、探しているものを言うだけで、文字入力する場合と同じように検索できるようになりました。また、Read Aloud: テキスト読み上げ音声リーダーをはじめとするテキスト読み上げツールも提供しています。こうしたツールは単独で使うこともできますし、イマーシブリーダーの一部として活用し、文書内の間違いを「聞きながら校正」することも可能です。さらに今四半期は、iOS タブレットおよび Android タブレット向けの Word にもこの機能を拡張しました。Word 文書の読み上げ機能の使い方については、こちらをご覧ください。

Android タブレット (左) と iPad 上での Microsoft Word の Read Aloud 機能
Android タブレット (左) と iPad 上での Microsoft Word の Read Aloud 機能

もちろん、1 月にも記述したとおり、マイクロソフトはスペルチェックや文法チェックをするのと同じくらい簡単に、アクセシビリティの高いドキュメントを作成できるように取り組んでいます。あのアップデート以降もこの分野の取り組みは続けており、今では Word や PowerPoint だけでなく、Excel での作業中にもアクセシビリティチェックができるようになりました。Mac ユーザーには、Teams チャットの画像に代替テキストが追加できるオプションを用意したほか、Excel のナビゲーションウィンドウも展開しています。また、モバイル版、及び Web 版の PowerPoint のユーザーエクスペリエンスについては、アクセシビリティを最優先にして、設計し直しました。

政府機関のお客様に向けて

ここでうれしいお知らせです。マルチテナントクラウド環境におけるマイクロソフトの法人のお客様に現在提供されている Microsoft Teams の以下の機能が、Microsoft 365 GCC、GCC-High、そして国防総省 (DoD) のお客様にも公開されました。

  • デスクトップ版でミーティング中に通知をミュートする機能 (GCC)
  • Web 版のカスタム背景 (GCC)
  • デスクトップ版で Teams ミーティング中に自分のビデオを固定または非表示にする機能 (GCC/GCC-H/DoD)
  • VDI での Teams ミーティングにおける Large Gallery や Together Mode (GCC)
  • ミュートを解除する機能 (GCC/GCC-H/DoD)

Microsoft 365 におけるアクセシビリティ機能の未来の形に向けて

当社のアクセシビリティへの取り組みは、障碍のあるお客様や従業員からの意見によって支えられており、その意見がマイクロソフト全体で刺激的な新しい取り組みを促進することにもつながっています。Microsoft Edge では最近、ラベルのついていない画像に対して自動で代替テキストを生成する機能をリリースし、Web 上でのスクリーンリーダーのアクセシビリティを大きく改善しました。ここで紹介した集中力を高める機能や代替入力オプションに関心のある方は、Windows 11 向けに最近発表した新フォーカス機能や、システム全体におけるライブキャプション機能、音声アクセス機能をご確認ください。またマイクロソフトでは、Microsoft Neurodiversity Hiring Program という神経的多様性のある人に向けた採用プログラムを通じ、才能のある人材を常に募集しています。同プログラムでは、特別な面接プロセスが用意されているほか、キャリアアップやキャリアの成功に向けたトレーニングとサポートを提供しています。

マイクロソフトのミッションの中核となるのは、当社の製品によってすべての人がつながり、コミュニケーションをとり、貢献できるようになることで、今後もマイクロソフトはこの分野での改善に向け真摯に取り組んでいきます。この道のりで最も重要な指針となるのはお客様からのフィードバックです。現在お使いの Microsoft 365 アプリケーションからいつでもご提案ください。[ファイル]メニューから[フィードバック]を選択、[提案の送信]へと進み、#accessibility というタグをつけてご連絡いただければと思います。さらにご意見のある方は、マイクロソフトの年次 Ability Summit が間もなく開催されますので、こちらからご登録の上、ご参加いただければと思います。

本ページのすべての内容は、作成日時点でのものであり、予告なく変更される場合があります。正式な社内承認や各社との契約締結が必要な場合は、それまでは確定されるものではありません。また、様々な事由・背景により、一部または全部が変更、キャンセル、実現困難となる場合があります。予めご了承下さい。