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プロクターアンドギャンブルのCIOは情熱は伝染すると信じている。彼の最新の夢は、185 年の歴史を持つ企業をデジタルで再構築すること。

プロクターアンドギャンブルの CIO は、情熱は伝染すると信じている。彼の最新の夢は、185 年の歴史を持つ企業をデジタルで再構築すること。

本ブログは、米国時間 6 月 8 日に公開された ”Procter & Gamble’s CIO believes passion is contagious. His latest passion: digitally remaking the 185-year-old company” の抄訳を基に掲載しています。

ヴィットリオ・クレテラ (Vittorio Cretella) は、17 歳の時、学校を出てイタリア軍に入隊し、ミサイルやレーダーシステム関連の仕事に従事することを熱望しました。

やる気満々のティーンエイジャーだった彼が本当にやりたかったことは、ヘリコプターを操縦することでした。

しかし、イタリア軍の規則では、ヘリのパイロットは 18 歳以上でなければなりませんでした。クレテラは、その厳しいルールに直面し、野望を少し方向転換しました。陸軍の軍服を着て、電子工学の勉強に没頭することにしたのです。

現在は Procter & Gamble のチーフ・インフォメーション・オフィサー (CIO) であるクレテラは「陸軍に行ったのは、自分の夢を追うためでした。でも、もしヘリコプターのパイロットになっていたら、今どこで何をしているか誰にもわからないでしょう」と述べています。

では、彼は今どこで何をしているのでしょうか? シンシナティで、世界最大級の企業の大規模な DX を率いています。

「情熱は伝染します。今日のテクノロジは、P&G のような企業に、世界中の何十億人ものお客様の日々の問題を解決し、その生活をより良くできる素晴らしいソリューションを構築する巨大な機会を提供しています」彼は言います、「これこそが情熱です」と。

この技術の近代化の一環として、P&G とマイクロソフトは、Microsoft Cloud を活用して P&G のデジタル製造プラットフォームを加速・拡大し、インダストリアルインターネットオブシングス (IIoT) を強化するために、複数年にわたる協力関係を新たに締結することを水曜日に発表しました。

P&G manufactures

P&G は、Pampers、Bounty、Gillette といった、数十の消費財ブランドの製品を製造販売しています。P&G は、今回のコラボレーションを通じて、生産性の向上、消費者への製品提供の迅速化、顧客満足度の向上、コスト削減を目指しています。

先日、Transform は、クレテラ氏の最新の、そしておそらくは最大のミッション、すなわち、185 年の歴史を持ち、約 70 カ国で事業を展開する企業のデジタルシフトの陣頭指揮を執ること、について話を聞きました。

TRANSFORM: あなたは 6 年間従軍し、コンピューター科学の学位を手にしました。今でも軍隊時代の教訓が生きているものと思いますが、当時の経験にどのように影響されていると思いますか?

クレテラ: 私は、敏捷性の重要性、そして、学習や実験に対して常にオープンであることの重要性を学びました。テクノロジ業界のキャリアを選ぶなら、終わりのない学びの旅に乗り出す覚悟が必要です。

私は、いつも、新入社員やインターン生に、大学で学んだことは 5 年も経たないうちに時代遅れになると言っています。これは彼らを落ち込ませることにはならず、キャリアを通じて学ぶ機会を与えてくれる専門的分野で働こうというモチベーションになるはずです。

P&G では、データと AI (人工知能)、クラウド機能、DevOps、API、ビジネスモデルの改善など、実に多くの事例があります。私の仕事の重要な部分は、テクノロジとビジネスチャンスとを結びつけること、そして、テクノロジによってお客様の価値を創造するという情熱を同僚や組織内の他の人々と共有することです。

P&G

TRANSFORM: Microsoft Azure を基盤として、P&G が世界中の製造拠点のデータを統合するのは、初めての試みとなります。ここでは、規模がポイントとなります。消費財メーカーがこれほど広範囲のデータに大規模にアクセスすることは珍しいことなのでしょうか?

CRETELLA: おっしゃるとおりです。当社は、このテクノロジを世界中の何百もの製造拠点で大規模に導入しています。それらの製造ラインから何十億という製品が生み出されています

しかし、当社は長い年月をかけて大規模な製造拠点を築いてきており、各拠点で製造設備は同じではありません。この標準化の欠如により、大規模な DX が困難でした。当社がマイクロソフトと共同開発しているデジタル IoT エッジ&クラウドパワープラットフォームは、当社の多様な環境に対応することでこのような課題の克服に貢献します。

多様なソースのデータの互換性を確保し、成功事例を横展開できるようにする機能が必要なのです。その結果、より迅速な展開、より早い市場投入、より高い生産性、そして、同じことを複数回行わなくてすむことが可能になります。

TRANSFORM: 今後、P&G は、より大規模にデータを統合し、作業員が生産状況を確認しながら迅速な意思決定を行うことができるようになるでしょう。P&G の従業員が製造現場で迅速に意思決定できるようになる事例について、いくつか説明していただけますか?

クレテラ: 今、当社は製造現場における AI や機械学習の活用の機会を模索しています。製造業 IoT とエッジ分析の取り組みにおいては、すでに魅力的なユースケースがあります。

試行プロジェクトには品質管理が含まれます。生産ラインでリアルタイムに品質をチェックできるようにすることです。また、レジリエンスの要素もあります。問題の早期発見と早期警告を行う予防保全によって、生産ラインのさまざまな部分が効果的に稼働するようにできます。そして 3 つ目の要素として、サステナビリティがあります。AI と機械学習により、エネルギー消費量と水消費量を制御し、二酸化炭素排出量を削減できます。

たとえば、ある機械が紙を正しい長さでカットできていない場合、製造ラインのオペレーターはアルゴリズムによってそれをすぐに知り、調整することができます。

P&G

TRANSFORM: P&G は、この DX を通じて、製造業における環境サステナビリティをどのように最適化していくのでしょうか。

クレテラ: 多くの工場で実現できるユースケースとして、機械学習を使ったエネルギーと水の消費量の最適化が挙げられます。これにより、カーボンフットプリントが削減でき、2040 年のカーボンニュートラルという目標をサポートします。

目標達成には、一方では代替エネルギーへの投資も必要ですが、機械学習を使ったエネルギー消費の最適化も重要です。ここでは、IIoT の取り組みが重要です。アルゴリズムを用いて製造資産の使用を微調整し、無駄を最小限に抑えることで大きな変化をもたらすことができます。

TRANSFORM: 多くの人々がサステナビリティに個人的な情熱を傾けています。あなたにとってサステナビリティがなぜ重要なのでしょうか?

クレテラ: 第 1 に、未来の世代に何を残すのか責任があるからです。第 2 に、無駄を省くことは私の性分だからです。すべての自然資源は賢く利用されなければなりません。

この 2 点が、サステナビリティに向けたテクノロジの活用に私が個人的に情熱を燃やす理由です。

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