マイクロソフトの 2021 年ダイバーシティ&インクルージョンレポート: 多様性を尊重し、インクルーシブな世界の実現とそれに向けた取り組みの進捗について

リンジー-レイマッキンタイア (Lindsay-RaeMcIntyre)
マイクロソフト チーフダイバーシティオフィサー

※本ブログは、米国時間 10 月 20 日に公開された “Microsoft’s 2021 Diversity & Inclusion report: Demonstrating progress and remaining accountable to our commitments” の抄訳です。

本日、第 3 回目の年次報告書であるマイクロソフトの 2021 年ダイバーシティ&インクルージョンレポート (英語) と、第 8 回目となるマイクロソフトの全世界の従業員の人口統計を公表します。この 1 年は多くの人々、コミュニティ、組織にとって課題の多い 1 年でした。米国や世界各地で続くヘイトに関わる行為や暴力により、人種的不平等が社会意識の前面に出て、世界的なパンデミックが不平等を悪化させ、私たちの生活を大きく変えました。このような現実に直面していることを考慮すると、平等とインクルージョンにおける最大のシステム上の課題を緊急に解決しなければならないのは明らかです。

この報告書は、マイクロソフトの活動の影響を定量的に示す機会となります。測定とデータは、進捗状況の認識だけではなく、改善のための道筋や機会を発見できる点において重要です。また、数字が重要かつ必要な情報を断片的に提供してくれる一方で、マイクロソフトは、自社に独自の才能をもたらしてくれる 18 万人以上の従業員の視点と経験も重要視しています。報告書に掲載されているデータや進捗状況に加えて、マイクロソフトが行っている取り組みの背景にある戦略や意図、そしてそれを実現している人々を紹介する 5 つのビデオも公開しています。

私は、2019 年に開始した神経科学に基づくマイクロソフトの Microsoft Allyship Program とその活動がもたらした勢いに勇気づけられています。2021 年 6 月時点で、従業員の少なくとも 96が、職場での Allyship (協力関係)、カバーリング、特権 (Privilege)、無意識のバイアスに関する D&I 研修コースを修了しています。これにより、全従業員が全社的 Allyship に必要な意識を持つことができました。また私は、Include2021 のイベントに参加し、Inclusion Journey のサイトでそれぞれの視点を共有してくれた、多くの業界屈指の学者、行動科学者、社会変革の専門家からの行動喚起に勇気づけられました。これらの外部の専門家は、マイクロソフトの従業員とエコシステムのための目的を明確にしてくれました。

確実な進捗を示すデータ
以下のデータは、マイクロソフトのデータのみを反映したもので、LinkedIn、GitHub、および、わずかに統合されたゲームスタジオは含まれていません。より広範なマイクロソフトのグループ企業に関するデータについては、報告書の 9 ページから 11 ページを参照ください。

マイクロソフトのコアビジネスにおけるほとんどのグループの代表の数は、前年比で増加しています。あるグループの代表の数が増えるためには、そのグループの従業員数が、全体的な従業員数と同等以上の割合で増加する必要があります。2017 年以降、マイクロソフトのコアビジネスの従業員は、グローバルで 41.6、米国で 35.4増加しました。同じ期間に、特定のグループの従業員増加率は、マイクロソフトのコアビジネスの従業員増加率を上回り、多様性の拡大に向けた傾向が続いています。

  • 現在、全世界の従業員に占める女性比率は 29.7であり、2020 年から 1.1増加しています。
  • 黒人およびアフリカ系アメリカ人の従業員は、現在、米国の従業員の 5.7を占めており、2020 年から 0.9増加しています。これは、過去 5 年の報告期間の中で、最大の前年同期比の増加です。
  • ヒスパニック系およびラテン系の従業員は、現在、米国の従業員の 7.0を占めており、2020 年から 0.5増加しています。これは、過去 5 年の報告期間の中で、最大の前年同期比の増加です。
  • 十数種の民族グループを含むアジア系従業員は、現在、米国の従業員の 35.4を占めており、2020 年と比較して 0.7増加しています。
  • ネイティブアメリカン、アラスカネイティブ、ネイティブハワイアン、太平洋諸島民の従業員は、米国の従業員の 0.7を占めています。過去 5 年の報告期間においてこの数値は同等です。
  • 多人種を自称する従業員は、米国の全従業員の 2.5を占め、昨年より 0.2増加しました。
  • 2021 年 6 月時点で、米国のマイクロソフトのコアビジネスの従業員の 7.1が、障碍があることを自己申告することを選択しました。これは、2020 年 6 月に比べて 1.0% 高い数値です。

リーダーシップレベルでは、前年比でいくつかの成果を上げることができました。特にグローバルでの女性リーダー、そして、米国におけるアジア人および黒人・アフリカ系アメリカ人のリーダーについて成果が上がっています。

  • 米国の従業員のうち、黒人およびアフリカ系アメリカ人は、マネージャーの 3.9%、ディレクターの 3.2%、パートナーおよびエグゼクティブの 3.8% を占めています。役員クラスの代表率は、前年比 1.9増加し、5.6% となりました。
  • 米国の従業員のうち、ヒスパニック系およびラテン系の従業員は、マネージャーの 6.0%、ディレクターの 5.2%、パートナーおよびエグゼクティブの 5.2% を占めています。役員クラスの代表率は、前年比 0.4増加し、3.7% となりました。
  • アジア系民族と自認する従業員は、マネージャーの 31.0%、ディレクターの 31.3%、パートナーおよびエグゼクティブの 26.2% を占めています。また、役員クラスの代表率は、前年比 1.8増加し、23.3% となりました。
  • 全世界の従業員に占める女性の割合は、マネージャーの 27.1%、ディレクターの 22.0%、パートナーおよびエグゼクティブの 21.1% です。役員クラスの女性の代表率は、2019 年から 2020 年にかけて 0.6下がったものの、2021 年には 1ポイント上昇し、25.0% となりました。

マイクロソフトは、Racial Equity Initiative の取り組みの一環として、2025 年までに、米国における黒人・アフリカ系アメリカ人とヒスパニック系・ラテン系のマネージャー、上級プロフェッショナル職、上級リーダーの数が 2 倍になるよう取り組んでいます。報告書でも示されたように、マイクロソフトは目標達成に向けて順調に進んでおり、リーダーシップの代表率は年々向上しています。

最後に、とりわけ困難な課題が多かった過去 2 年間における、多様性とインクルージョンの分野での重要な変化に触れないわけにはいきません。多様性とインクルージョンは、ますます緊急かつ多面的な課題となっています。倫理的、社会的な観点に加えて、企業やビジネスにおける最優先事項でもあります。世界中の産業界では、多様性とインクルージョンが重要かどうかはもはや論点ではなく、この重要な取り組みをどう支援していくべきかが論点になっています。組織による、一時的な誓約にとどまらず、持続可能な取り組みが求められています。

この1年、マイクロソフトはこの課題に立ち向かい、全社を挙げて、社内だけではなく、私たちが生活し働くコミュニティにおいても、この活動を推進してきました。マイクロソフトのミッションは本質的にインクルーシブであり、私たちが目指す進歩の実現に一貫して取り組み続けます。

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