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新たなデータ分析ツールで荷物配送の迅速化や患者ケアの向上が可能に

クリス ステツキヴィッチ (Chris Stetkiewicz)

本ブログは、米国時間 2020 年 12 月 3 日に公開された ”New data analytics tools aim to help deliver speedier packages, better patient care and more” の抄訳です。

マイクロソフトが 1 年前、Azure Synapse Analytics を発表した際にお伝えしたのは、Azure Synapse Analytics によって組織内のどこにいてもデータと分析の力を人々の手元に届け、スキルを持った技術者がデータインフラ管理よりも価値の高いタスクに集中できるようになるということでした。

「私たちはまずは仮説を立てました。それは、多くの組織にとって自社のデータを利用して AI を展開することは非常に困難であり、物事を片付けるにあたって必要なすべての分析をこなせるほどのソフトウェアエンジニアはこの世に十分に存在していないだろうという仮説です」と、マイクロソフトで Azure Synapse および Analytics Platform 担当 製品ディレクターを務めるジョン マッキンタイヤ (John Macintyre) は語ります。「マイクロソフトがこの状況を大きく改善できることはわかっていました」

マイクロソフトは Azure Synapse により、無制限のデータウェアハウスとアナリティクスを提供し、複数のソースから収集したデータを接続して簡素化しています。これにより、どんな組織でも自社の情報をより役立てることが可能です。

マイクロソフトは 12 月 3 日 木曜日 (米国時間)、Azure Synapse 最新版の一般提供を開始するとともに、新たなデータガバナンスソリューション Azure Purview を発表しました。

Azure Synapse の発表から 1 年が経った今、ペタバイト級のワークロードを実行する Azure のお客様の数は 5 倍にまで増加しました。ペタバイト級のワークロードとは、標準的に印刷された文書の 5000 億ページ分に相当します。

そのお客様の中には、世界的な大手運送会社の FedEx も含まれています。同社はマイクロソフトと協力し、FedEx Surround を構築しています。FedEx Surround とは、Azure Synapse をはじめとする Azure のエコシステム製品を活用した新プラットフォームで、FedEx のお客様がサプライチェーンをデジタル化し、データを活用して在庫をリアルタイムで管理し追跡できるよう支援するものです。

FedEx では、配送する 1 日 1600 万個もの荷物が目的地に届くまで、ひとつひとつを十数回もスキャンしています。これにより、膨大な量の価値ある物流インテリジェンスが生成されます。このデータは、交通情報や気象情報と組み合わせ、スケーラブルなデータストレージおよび分析サービスである Azure Data Lake に保管されています。Azure Synapse と FedEx Surround を利用することで、FedEx はインサイトを抽出してより迅速で効率的な配送を実現しているのです。

「デジタルシグナルに対応し、お客様とその先のお客様に向けたサプライチェーンを調整できることが、FedEx の差別化の要となっています。FedEx がお客様にお届けしたいのは、この次世代の価値なのです。これを実現するにはデータの力を活用しなくてはなりません」と、Fedex Services の戦略プログラム担当シニアバイスプレジデントであるスリラム クリシュナサミー (Sriram Krishnasamy) 氏は話します。

今後数ヶ月で 同社は FedEx Surround をデプロイし、COVID-19 のワクチン配送をサポートする予定です。ワクチンは FedEx のネットワークを通じて迅速に配送されますが、必要とされる温度範囲内で保存しなくてはならないため慎重な調整が求められます。

「継続的な分析によって得た知見がネットワークの最適化に役立っています。重要で価値の高い荷物を世界中に配送するにあたり、天候や交通量が配送の妨げになるかどうかを予測し、遠隔地から配送ルートを変えることでそのようなことがないよう修正できるのもそのためです」と、クリシュナサミー氏は述べています。

データを活用して患者により良い対応を

変化を予測し計画を立てることにより、その変化が短期的なものでも長期的なものでも、ほぼすべての企業で大きな違いが生まれます。プロフェッショナルな情報、ソフトウェア、サービスを世界で提供する Wolters Kluwer では、同社の戦略的オペレーションにおいてデータが重要な役割を果たしており、中でもヘルスケア部門でのデータの位置づけは非常に高いものとなっています。

例えば、Wolters Kluwer は同社の患者エンゲージメントプラットフォームに対し、患者の希望に基づいて退院後に医療従事者がフォローアップする方法をパーソナライズできる機能を組み込みました。また、同社の臨床監視システムは、電子カルテからリアルタイムで患者データを活用し、予測モデルによって重篤な状況を適時警告しています。

もうひとつ、Wolters Kluwer が重視しているのはデータの標準化です。

「Wolters Kluwer のお客様は、膨大な量のデータを標準化して意味を導き出そうとしています。当社の Health Language ソリューションにより、データや医療用語を洗浄して標準化した上で分析できるようになります」と、Wolters Kluwer 健康部門の最高技術責任者、ジャン-クロード サグビニ (Jean-Claude Saghbini) 氏は述べています。

Azure Synapse を採用する前の Wolters Kluwer では、さまざまな場所に散在していた健康データの多くを Azure Data Lake に集約することで、複数のデータソースにアクセスし作業する際の障壁となっていた「データのサイロ」を排除していました。Azure Synapse は、製品やデータソース全体にまたがるデータレイクの作成に必要となる堅牢な機械学習オペレーション (MLOps) を提供するほか、分析や高度な AI をサポートするデータパイプラインも備わっています。

「これによって社内の主なデータ資産の大半が一ヶ所に集約され、データを使って演算できるようになりました。Azure Synapse を使ってこうしたデータすべてを処理できるようになったことは、戦略実現を支える大きな力のひとつとなっています」と、サグビニ氏は語ります。

データ管理最適化の価値を示すもうひとつの例があります。Wolters Kluwer では、同社の臨床意思決定支援プラットフォームである UpToDate を日々利用している 200 万人の臨床医に対し、それぞれに合ったコンテンツを提供しています。同社の匿名化された臨床医検索データは、研究者が地域や世界における健康トレンドの初期シグナルを見極めるために使っています。例えばある研究では、UpToDate で COVID-19 関連の検索が増加すると、今後同ウイルスに関連する 1 ヶ月の死亡者が増加する可能性があることを示しています。

データのカタログ化に向けた社内ソリューション

過去 1 年かけてお客様に Azure Synapse をプレビューしていただきましたが、その間マイクロソフトのエンジニアは、データがオンプレミス上にあっても、マルチクラウド上にあっても、ソフトウェア アズ ア サービス (SaaS) 上にあっても、すべてのデータの発見やカタログ化を自動化する新データガバナンスサービスの開発に取り組んでいました。今回パブリックプレビューとして提供されることになった Azure Purview は、まずお客様が保有しているデータを正確に把握し、データがプライバシー規制に準拠するよう管理し、より迅速に価値のあるインサイトを引き出すことができるようになるものです。

Azure Purview は、マイクロソフト社内のデジタルトランスフォーメーションやプライバシーコンプライアンスに向けた取り組みを支えるため、複数年にわたる社内の取り組みとして始まりました。Azure Purview の製品ディレクターであるマイク フラスコ (Mike Flasko) が同チームを率いており、社内のデータ、プライバシー、セキュリティを担当する最高責任者らと協力して分析製品を設計、社内のデータ量を管理するとともに、マイクロソフトが展開する複雑なシステムも管理しています。

多くの企業と同じように、マイクロソフトのデータエンジニアやデータサイエンティスト、ビジネスアナリストも、こうした大量で複雑なデータストリームを処理し理解しなくてはなりません。

「近代化を進めて自社のニーズに取り組んでいると、マイクロソフトのデジタルトランスフォーメーションに必要なことやデータプライバシーの管理に必要なことがたくさん見えてきました」とフラスコは語ります。「お客様が次々に伝えてきたのは、データがどこにあるのか、どのように移動してどうすればアクセスできるか把握する必要があるという意見です。お客様の課題は、マイクロソフトが社内で体験していることと似ていたのです」

Azure Synapse が従来のデータウェアハウスの進化を象徴しているように、マイクロソフトでは Azure Purview を次世代のデータカタログと位置づけています。Azure Purview は既存のデータ検索機能をベースに構築されており、お客様がデータ処理法に準拠し、セキュリティ管理を取り入れられるよう支援する機能を強化しています。

「Azure Purview は、お客様がコンプライアンスに準拠した上で最大限にデータ活用できるようにしようという目的で設計されました」とフラスコは語ります。「これでデータを完全に理解できるようになり、データがどう移動するのか、誰と共有したのかなども把握できます。これは効率的なデータの利用やガバナンスに欠かせないことです」

Azure Purview には 3 つの主要なコンポーネントが含まれています。

・ データの発見、分類、マッピング: Azure Purview が自動的にオンプレミスやクラウド上にある組織の全データを見つけ出し、データの特性や機密度を判断します。2 月からは、他のストレージプロバイダーが管理するデータでも同機能が利用できるようになります。

・ データカタログ: Azure Purview により、全ユーザーがシンプルなウェブベースのエクスペリエンスにて信頼できるデータを検索できるようになります。ビジュアルグラフによって関心のあるデータが信頼できるソースからのものかどうか迅速に判断できます。

・ データガバナンス: Azure Purview で企業のデータ環境の全体像が把握できます。これにより、データ担当者が効率的にデータの利用を管理できるようになります。また、複数の環境にまたがるデータの分布が把握できるほか、データがどのように移動しているのか、機密性の高いデータがどこに保存されているのかといったような重要な知見が得られます。

マイクロソフトでは、今回の機能強化によって、これまでデータガバナンスを複雑化し遅延させてきた社内の障壁を取り除くことが可能だと考えています。

「マイクロソフトのアプリケーションとお客様のアプリケーションが簡単にインタラクションできるようになればと思っていました。データシステムを統合して自動化し、システムに Azure Purview と対話する方法を教えることにより、これが実現しました。これにより、データエンジニアはデータエンジニアでいることができ、データサイエンティストはデータサイエンティストでいることができるようになるのです」とフラスコは述べています。

関連資料 :
ビデオ : Azure Purview について

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