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社員の Skilling からお客様支援のための Skilling へ Learning Culture とインクルーシブの密接な関係について

Microsoft Japan Diversity & Inclusion Special Interview #2

お客様のデジタルトランスフォーメーションを支援する立場として、「クラウド時代に適したスキルを社員 1 人 1 人が身に着けることはとても大切」と語る 日本マイクロソフトで Chief Learning Officer を務める執行役員 伊藤かつらに、社内外のスキルアップについて話を聞きました。

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今季から Chief Learning Officer (以下CLO) に着任されていますが、CLO は日本マイクロソフトでどのような役割で、どんな狙いがあって新設されたのでしょうか?

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そもそも、CLO はごく最近出てきた役職です。ビジネスの在り方・社会の環境がこれまでと全く異なっていく中で、成功の価値評価、企業が目指すもの、活用するITテクノロジそのものも大きく変わってきています。そのような流れの中で従業員を再教育、すなわち Re-skilling を提供し、企業として持続可能な状態を作っていくことが役割として求められています。私たちマイクロソフト自身も例外ではありません。そこで、本年度より全世界 14 か国の国と地域で CLO が着任し、それぞれの地域でSkilling をすすめることになりました。また、マイクロソフトではクラウド時代に適したスキルを身に着ける社員の Re-skilling としての意味合いと、そしてさらにお客様の Skilling を支援する Customer Skilling という 2 つ目の目的を持つことになりました。特に後者はお客様自身にクラウドの理解を進め、正しくお使いいただくことと、社内で Azure を使いこなせる技術者が増えれば増えるほど Azure をより積極的に活用いただけるようになることを目指しています。クラウドの理解を拡げ、より積極的にお使いいただくにはそもそも私たち社員自身が技術を身に着けていなければなりません。それらを加速度的に進めるために、主要国を中心に私も含め 14 か国の国と地域で CLO が任命され、それぞれの地域での Skilling を現在進めています。

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この役職を担当することになったきっかけは何ですか?

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これまで私自身 様々なお客様・パートナー様と接していて実感しているのですが、日本のIT業界はどうしてもエンジニアと呼ばれる技術者がとても大切と理解していながら、技術者が技術力に応じた人材評価がされる仕組みがどうしても弱いと長年感じています。これはあまりにもったいない。マイクロソフトに入社前も技術者を支援する仕事に携わることが多々ありましたが、特にマイクロソフトに入ってからは、技術者コミュニティを盛り上げるような活動を、いくつかの組織でも積極的に行ってきました。日本のイノベーションにもっと貢献して、改革を加速していくためには、最先端の技術力を身に着けてより多くの活躍の場を得ていく必要がある、そう考えた際に今回の役職はまさにぴったりだなと感じましたね。始めてみて面白さを感じているのは、実際世界 15 万人を超えるマイクロソフト社員、そしてその先にいる日々お付き合いしているお客様、さらにお客様の先にいらっしゃる無限大のお客様に対して Skilling をおこなっていく社会的インパクトです。同時に、この活動自身はマイクロソフトの中でも社内スタートアップに近い立ち位置で急速に立ち上げをおこなっています。ビジネスプロセス 1 つとっても私たち自身何もないところから日々様々作り上げているところは、私にとっても新しい経験です。

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マイクロソフトで求められている人材の再教育 (Learning) とそのチャレンジはどのようなものでしょうか?

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そうですね。先程も紹介したようにマイクロソフトの場合は、自分たち社員のクラウド時代の人材としての Re skilling としての人材育成 (Employee Skilling) と、さらにそれぞれの社員 1 人 1 人がクラウドを活用してお客様のデジタルトランスフォーメーションを支援することが出来るようになるための Re skilling (Customer Skilling) の両方の側面でアプローチしていかないとなりません。そこでコアとなるのはやはりクラウドのテクニカルスキルだと考えています。特に Microsoft Azure、Office365、そして Dynamics365 という主軸のクラウドサービスを中心に人によって技術知識や、経験がバラバラなので、全体のボトムアップを図っているところです。それぞれの役職に合わせたプログラムを用意し、相当時間のトレーニングと共に、スキルチェックも Learning Champ というリーダー的立場の社員による相互学習の機会も作っています。

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社内ではたくさん Learning のためのメールや情報が提供されていますね。

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これまでこんなにたくさんトレーニングに関する情報が社員に届くことってあまりなかったと思います。楽しみながら、助け合いながら Learning していくという全社員で取り組むという Culture 育成の要素もとても大切だと考えています。
ですから世界に先駆け日本独自の取り組みとして “日本マイクロソフト 全社員「AZ900」取得!” という活動を行っています。AZ900 というのはクラウドの根幹でもある Microsoft Azure の基礎をすべて網羅した技術試験になりますが、現時点で 1200 名以上の社員がこの資格を取得しています。

Learning を進めていくうえでとても重要なのが、各部門の役員、営業のリーダーシップが積極的に資格取得や Learning の活動に時間を使っていることです。トレーニングを受け、学習し、試験会場に足を運び、それぞれが試験にパスし、その苦労も含めてチームにコミュニケーションする、それぞれのチームメンバーも楽しみながら組織全体で学ぶ、という構造を徐々に創り上げることが出来ています。誰かに言われてやるのと、自分から積極的に学ぶのでは全く身につき方が異なります。きっかけは会社からであっても、実際取り組み始めると社内でよりオープンで Learning に積極的なカルチャーも醸成出来始めているなと実感し始めています。

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Employee Skilling 、そして Customer Skilling を進めていくにあたって Diversity & Inclusion の考え方はどのように関わっていますか?

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とても重要ですね。まず、私が属する Learning のグローバルの組織自体がとてもインクルーシブで驚かされます。組織そのものの中に製品サービスを担当している部署もあれば、ビジネスのデザインをしている人、ビジネスプロセスを運用している人、実際に各国のフィールドでプログラムを提供する人など、先ほどお話しした社内スタートアップという例を出しましたが、1 つの会社組織が国を大きく超えて一緒に動いているので、おのずとオープンで、頻繁なコミュニケーションが、今まで以上に毎日行われています。その中で、お互いをリスペクトしながら共通のゴールに向かって日々改善を重ねていくというのは Inclusion のパワーだと感じます。

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日本マイクロソフトは比較的コミュニケーションにおいてはお互い積極的だなと感じますが…?

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これまでもコミュニケーションが多い方の会社だとは感じていますが、Learning のチームはさらに頻繁にそしてオープンにコミュニケーションがやり取りされるのを感じます。いわゆる本社と Sub (現地法人) という関係ではなく、一緒に何かを動かしているチームの一体感です。なので、本社や各国の電話会議や Microsoft Teams でのやり取りはほぼ毎日行われます。Teams などのデジタルコミュニケーションツールを活用することで、さらにこのオープンコミュニケーションが拡がり、お互い学び合いながら PDCA を高速で回していることでカルチャーが刺激し合っているのを日々体感しますね。この間も久しぶりに会話した他国の担当者から「英語が上達したね」って言われてしまいました。もう伸びることもないと思っていたのですが、毎日使っているとやっぱり違うんですね…(笑)

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ラーニングカルチャーとインクルーシブなカルチャーの密接な関係とは?

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学ぶ過程の中で、インクルージョンってとても大切だと考えています。自分が正しいと思い込んでいると、新しい情報はなかなかその人の中に入っていきません。何かを決めつけて捉えず、自らが自身をさらに向上させたい、自ら学ぶ努力をするマインドが備わっていると、それに伴って考え方や態度もインクルーシブになると思います。ラーニングカルチャーと、インクルーシブな環境ってとても密接な関係にあるのです。ですから、今後も私たちが提供する様々な Skilling のプログラムを通じて、社員同士が、よりオープンでインクルーシブな Learning カルチャーを創るための環境づくりも整えていきたいと考えています。「学ぶということのパワーを信じている人材」が今目指している日本マイクロソフトでの人材像で、そういった社員がマイクロソフトの中により増えて Skilling が進むことで、さらに社員同士の枠を超え、社員とパートナー企業様、社員とお客様との間でもよりオープンで、インクルーシブなコミュニケーション、お互いの Skilling を伸ばすカルチャーが無意識にできるようになることが増えていき、ひいては結果として日本にポジティブなインパクトを出していけると私は信じています。

最近では、インクルーシブな状態ではないシーンに出会ったとき、すぐにその違和感を敏感に感じる自分自身に気づいたという。それは、今の Skilling の活動を通じて、チームを構成したり、一緒にプロジェクトを行ったりする際に、年齢も、性別も、国籍も、文化も全く異なるメンバーが集まって日々活動するのが当たり前になっているからこそ、そうではないシーンにはとても敏感になったとからだと。

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