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ハイブリッドワークの世界で成長するために、信頼と柔軟性の文化の醸成を

マイクロソフトの従業員を対象とした調査から、多様なワークスタイルを受け入れる重要性とシンプルな会話の力が明らかに

※本ブログは、米国時間 9 月 9 日に公開された “To Thrive in Hybrid Work, Build a Culture of Trust and Flexibility” の抄訳です。

マイクロソフトには、世界 100 カ国以上に 18 万人以上の従業員*が在籍しています。社内の継続的なリスニングシステムが、さまざまなチャネルを通じて従業員の声を聴いています。毎日、全世界の従業員 2,500 人から無作為に抽出された従業員を対象に、さまざまなテーマに関する任意のアンケートを実施しています。オフィス勤務への復帰計画について断続的にアンケートを実施しているほか、年に一度、全社的な意識調査を行っています。これにより、進化し続ける組織としての働き方への理解が深まり、うまく行っていることと、うまく行っていないことを従業員から直接聴くことができました。マイクロソフトは、「ハイブリッド パラドックス」そして「グレート リシャッフル」というワークフォースの再構築における 2 大動向に向けた企業の取り組みを支援するために、他社の従業員の経験の縮図とも言える、自社の従業員から学んだことを共有していきます。

今回明らかになった主なポイント

  • マイクロソフトの従業員アンケートによると、インクルージョンや上司の支援に対する肯定的感情は過去最高レベルであり、自己申告による生産性のレベルは安定しています。
  • ハイブリッドワークへの移行を成功させるためには、人々がどこでも仕事ができる柔軟性を求める一方で、より多くの人とのつながりを求めているという「ハイブリッド パラドックス」を受け入れることが重要です。
  • 万能なアプローチはありません。ワークライフバランス、仕事への集中、会議などをオフィスに通勤する理由にする人もいれば、同じことを在宅勤務の理由にする人もいます。
  • ハイブリッドワークでは、マネージャー (管理職) の役割が今まで以上に重要になります。今回の調査では、マネージャーと従業員の期待値にギャップがあるものの、1 対 1 の対話によって信頼関係が生まれ、自信を持って自分たちが考える柔軟なハイブリッドワークを受け入れられるようになることが判明しました。

他の多くの企業と同様に、マイクロソフトも 10 月 4 日にワシントン州レドモンドの本社を全面的に再開することを計画していました。しかし、デルタ株はこの目標を大きく変えてしまいました。大規模な計画を見直さなければならなくなったのは今回が初めてではありません。そして、最後ということもないでしょう。

このような不確実性の中で、マイクロソフトは仕事のやり方でも大きな変化を経験しています。年次報告書 Work Trend Index の調査データは、CEO サティア ナデラ (Satya Nadella) がハイブリッド パラドックスと呼ぶ現象を明らかにしました。人々はどこにいても仕事ができる柔軟性を求めていますが、同時に人と人とのつながりをより強く求めているのです。

しかし、状況はより複雑です。従業員を在宅勤務としたことが、人々が仕事との関係を見直すきっかけとなり、その結果として従業員の期待に深い構造的変化を及ぼすことになりました。従業員は、過去 18 カ月間に新たな働き方に対応していく中で、どこでどのように働くのかだけでなく、「なぜ」働くのかについても再考するようになっています。雇用者と被雇用者の間に新たな関係、いわば新たな社会契約が生まれています。失われる仕事もあれば、生み出される仕事もあり、ほとんどすべての仕事が変わり、その結果として、LinkedIn (リンクトイン) がグレート リシャッフルと呼ぶ現象が生まれています。

万能なアプローチはありません

マイクロソフトの従業員がハイブリッドワークについて語ったビデオをご覧ください。

収集されたデータは、マイクロソフトの助けになったのと同様に、複雑性に取り組む他の組織の指針にもなると考えています。この Work Trend Index Pulse Report は、マイクロソフトの従業員を対象としたアンケートを元に作成されました。従業員の声に耳を傾けることで、リモートワークの機会と課題、ワークスタイルの重要な相違点、従業員とマネージャーの期待のギャップなどについて、より深い理解を得ることができました。また、この調査結果は、ハイブリッドワークで成功するために組織が培わなければならない柔軟性と信頼を最大化するためのシンプルで強力な戦術も示しています。

マイクロソフトは、すべての答えを持ち合わせているわけではありません。マイクロソフトのチーフサイエンティスト、ジェイム ティーバン (Jaime Teevan) が言うように、「私たちは短期的なデータで長期的な判断をしなければなりません」。しかし、取り組みを開始するためにも、マイクロソフトは今わかっていることをお伝えしようと思います。

マイクロソフトの組織としての立ち位置

昨年を振り返ると、調査データは、マイクロソフトが組織としてうまく行った分野、そして、その成功を維持するために今後やるべきことを示しています。また、他の多くの企業と同様にマイクロソフトが直面した課題や、残された課題も反映しています。

最初に、最もポジティブなニュースを挙げましょう。高い不確実性の中、インクルージョンに関する従業員の肯定的な感情を記録的に高く (90 パーセント) 維持することができました。

高い不確実性の中、インクルージョンに関する従業員の肯定的な感情を記録的に高く (90 パーセント) 維持することができました

マイクロソフトの企業文化やリーダーシップ基準の構築に協力している認知科学コンサルタント会社 NeuroLeadership Institute の CEO で神経科学者のデビッド ロック (David Rock) 博士は次のように述べています。「パンデミックの時に、強いインクルージョンの感情があったことは十分に理解できます。この 1 年で、チームはお互いの目標や経験を共有することで強い絆を築きました。」

マイクロソフトは、リモートワークへの移行以前からインクルーシブな組織文化の構築に注力してきましたが、今この時期にこのような感情が見られることは注目に値します。対面の仕事とリモートの仕事を行き来する従業員が増える中で、帰属意識を維持するには、より大きな努力と創造性が必要になります。

企業は、従業員がどこで働いていても、自分の居場所があると感じ、会話に参加していると感じ、マネージャーが多様なニーズやワークスタイルをサポートしていると感じられるよう、新しい習慣を積極的に獲得していく必要があります。この点は、私たちの調査において、他の人よりも帰属意識が感じられないと答えた少数のグループに対して特に当てはまります。


インクルージョンに関するマイクロソフト従業員の気持ちを測るために、従業員に対して、以下の 5 つのステートメントを提示しました。

  • 自分の個性やスタイルを維持しながら、ワークグループ (自分が所属するチーム、部署) で成功することができる。
  • 自分の考えや感情をワークグループで自由に表現できる。
  • ワークグループの人々は、仕事に関する情報をオープンに共有してくれる。
  • 自分のチームに帰属していると感じている。
  • 私のマネージャーは、従業員の違いや考え方を尊重し、活用することで、インクルーシブな環境と多様性のあるワークフォースを育成している。

また、この 1 年間で、インクルージョンに加えて、もう 1 つポジティブな発見がありました。従業員は在宅勤務などオフィスを離れて働くようになってからも生産性は変わらないと回答しているのです (2020 年 6 月時点の 76 パーセントに対して 2021 年 6 月は 77 パーセント)。

改善が必要な分野について言えば、マイクロソフトの従業員の多くが、自分は帰属意識を持ち、生産性が高いと答えている一方で、大多数の従業員が、リモートワークに共通する 2 つの課題、すなわち、孤立感とウェルビーイングのいずれかによる負担を感じています。具体的には、「同僚とのつながりの質に満足している」と回答した従業員は、昨年 6 月の 86 パーセントから今年 6 月には 79 パーセントに減少しました。さらに、当社の最近の調査では、リモートワークによってマイクロソフトの従業員のネットワークが、よりサイロ化・固定化し、つながりが弱い人々との共同作業の時間が減っていることがわかりました。

また、データは、従業員のワークライフバランスに対する満足度がパンデミックのピーク時よりも向上 (2020 年 11 月から 2021 年 6 月の間に 9 ポイント上昇) したことを示していますが、今回の調査では、多くの従業員にとってバランス維持が依然として課題となっていることが判明しました。

「以前は 45 分から 1 時間かけて通勤していました。今では、通勤せずに、家族と一緒に朝食を取ったり、愛犬と一緒に朝の散歩に出かけたりする日を選ぶことができます。」

Microsoft Cloud + AI 担当 Principal Data and Applied Scientist Manager、マット フィッシャー (Matt Fisher) (ワシントン州カークランド)

今回の調査から、リモートワークがプラスとマイナスの両面でさまざまな影響を与えていることがわかっています。マイクロソフトは、ハイブリッドワークに向けて、当社を含めた組織がどのようにすれば人とのつながりを強め、ウェルビーイングを促進しながら、柔軟性をサポートできるかを見極めることに注力しています。その答えは、お互いの違いを受け入れることにあると考えます。


すべてのレベルで柔軟性の模範となる

マイクロソフトは、経営層からハイブリッドワークのベストプラクティスの模範となることを目指しています。毎週、サティアをはじめとするマイクロソフトのシニアリーダーシップチームが会議を開催します。パンデミックによる全面的なリモートワークが行われる前は、多くのシニアリーダーが対面で参加していました。ハイブリッドの時代には、これはもはや当たり前ではありません。今後は、シニアリーダーが Microsoft Teams を使って、オフィスにいても、遠隔地にいても、これらの会議に完全に参加できるようになります。

「従業員の期待は変化し続けているため、ハイブリッドワークには万能のアプローチが無いことを新しいデータは示しています。組織がこの複雑性を解決する唯一の方法は、人々の働き方、住む場所、ビジネスプロセスへの取り組み方といった事業モデル全体に柔軟性を取り入れることです。」

マイクロソフト 会長兼 CEO サティア ナデラ


多様な人々、多様なスタイル、多様なニーズ

理想のワークスタイルとはどのようなものでしょうか。マイクロソフトの調査結果はその答えが 1 つではないことを示しています。人によって、スタイルも違えば、ニーズも違います。成功のためには、誰もが最高の仕事ができるように、異なるワークスタイルを受け入れる方法を発見しなければなりません。

従業員に、対面で勤務できる環境に戻った場合、自宅とオフィスのどちらでどれくらいの頻度で仕事する予定か、および、その理由を尋ねました。

オフィスで働く理由のトップは、「同僚とのコラボレーション」(70 パーセント) と「社会的な交流」(61 パーセント) でした。自宅で仕事をする理由としては、「通勤時間の削減」(61 パーセント)、「ワークライフバランスの維持」(59 パーセント) などが挙げられました。この数字は、ハイブリッド パラドックスを如実に表しています。私たちはお互いに会いたいと思っており、対面で一緒に業務に取り組みたいと考えていますが、それと同時に、自宅で仕事をすることで得られるウェルビーイング上のメリットを維持したいと考えています。

多様なスタイル、多様なニーズ

在宅勤務、あるいは、オフィス勤務を選択したマイクロソフトの従業員がその選択を行った理由

在宅勤務、あるいは、オフィス勤務を選択したマイクロソフトの従業員がその選択を行った理由

「柔軟性の向上により、単に仕事だけでなく私の生活全体にフィットするワークスタイルを実現できるようになりました。」

Azure Infrastructure Specialist メリケ チェイラン リーメン (Melike Ceylan-Leamen) (カナダ オンタリオ州ブルックリン)

データの詳細を見ると、従業員がある場所で働く理由は、断片化し、矛盾したものになっています。マイクロソフトの従業員の中には、ワークライフバランスをオフィスに出社する理由としている人 (12 パーセント) もいれば、在宅勤務の理由としている人 (59 パーセント) もいます。オンラインミーティングにより在宅勤務が望ましくなったと答えた人 (23 パーセント) もいれば、チームコラボレーションは実際に集まって行うべきものだと考えている人 (70 パーセント) もいます。仕事する時間の中で、最も多くの時間 (90 パーセント以上) をオフィスで過ごす予定であると答えた従業員のうち、58 パーセントが「集中して仕事できる」ことを理由に挙げています。一方、同じくらいの時間 (90 パーセント以上) を在宅勤務にする予定だと答えた従業員では、同じ 58 パーセントが「集中して仕事できる」を理由に挙げています。

同じくらいの時間 (90 パーセント以上) を在宅勤務にする予定だと答えた従業員では、同じ 58 パーセントが「集中して仕事できる」を理由に挙げています。

すなわち、ある従業員はワークライフバランス、仕事への集中、会議などをオフィスに通勤する理由とし、別の従業員はそれらを在宅勤務の理由としているのです。正反対のワークスタイルで、同じ利益を求めていることになります。

グレート リシャッフルの中で、このような多様性を尊重し、支援する組織は、人材の採用と維持において大きな成功を収めるだけではなく、自律性の実現により、全員がより効果的に、より生産的に仕事ができる可能性を高めることができます。

マイクロソフトの Chief People Officer キャスリーン ホーガン (Kathleen Hogan) は、「パンデミックにより、私たちは皆、新しい方法で考え、生活し、仕事をすることを余儀なくされました。ハイブリッドワークへの適応は、リーダーシップ、コミュニケーション、カルチャーに複雑な問題をもたらし、その結果、柔軟性、信頼、エンパワーメントがこれまで以上に重要になります。」

マネージャーと従業員のギャップ

今回の調査では、管理職 (manager、マネージャー) と非管理職 (nonmanagerial employees) の間にも顕著な違いが見られました。オフィス勤務が完全に解禁になった時に、マネージャーの期待以上に、オフィスに通勤したいと考えている従業員が多いことがわかりました。

  • 従業員 (非管理職) の 8 パーセントが「毎日出社する予定」と答えていますが、チームのメンバーに毎日の出社を期待しているマネージャーはわずか 1 パーセントです。
  • 従業員 (非管理職) の 48 パーセントが週に 3~4 回出社する予定と答えていますが、チームのメンバーに週 3~4 回の出社を期待するマネージャーは 28 パーセントだけです。
  • 従業員 (非管理職) の 31 パーセントが週に 1~2 回出社する予定と回答していますが、チームのメンバーに週 1~2 回の出社を期待するマネージャーは 25 パーセントと比較的近い割合になっています。
  • マネージャーの 35 パーセントが、会社のポリシーを除き、チームのメンバーがオフィスに来る頻度について個人的な希望は無いと答えています (調査で「希望なし」を選択できるのはマネージャーのみ)。

従業員の計画とマネージャーの期待のギャップ

従業員はマネージャーが期待するよりも多くの時間をオフィスで過ごしたいと考えている。

従業員はマネージャーが期待するよりも多くの時間をオフィスで過ごしたいと考えている。

もう一つのギャップは、マネージャーは非管理職と比べて、勤務時間のより多くの時間をオフィスで過ごそうと考えていることです (非管理職の 39 パーセントに対してマネージャーは 45 パーセント)。

このデータは、必ずしもマネージャーとその部下との直接的な相関関係を示すものではありませんが、重要な傾向を示しています。ワークスタイルのギャップや従業員と上司との間の期待のギャップが摩擦を生み出す可能性があります。どうすればこれを克服できるでしょうか。マイクロソフトのデータはシンプルな解決策を示しています。コミュニケーションが重要ということです。

マネージャーは非管理職と比べて、勤務時間のより多くの時間をオフィスで過ごそうと考えていることです (非管理職の 39 パーセントに対してマネージャーは 45 パーセント)

自分の最適な働き方について上司と話し合ったことのあるマイクロソフト従業員の 97 パーセントは、上司が自分の望むワークスタイルをサポートしてくれていると答えています (まだ話し合ったことのない従業員よりも 7 ポイント高い数値)。また、マイクロソフトの年次調査で高い評価を獲得しているマネージャーは、部下とこのような話し合いをしている可能性が高いと考えられます (そのようなマネージャーのスコアは平均して 5 パーセント高い)。

ここでの教訓は明らかです。マネージャーと従業員が 1 対 1 で話し合うことで、信頼関係が生まれ、共通の理解が得られ、人々が自分なりの柔軟でハイブリッドな働き方を受け入れられるようになるということです。

マイクロソフトの Talent, Learning, and Insights 担当コーポレートバイスプレジデント、ジョー ウィテングヒル (Joe Whittinghill) は次のように述べています。「私たちの世代における働き方の最大の変化に直面している今、真の意味で柔軟な働き方を定義する条件や経験を作り出すのは、マネージャーです。当社の 2 万人以上のマネージャーに、従業員にとって最適な意思決定を行う権限を与えてきました。それは、チームによって異なり、万能の解決策が存在しないことを、マイクロソフトは認識しているからです。」

自分の最適な働き方について上司と話し合ったことのあるマイクロソフト従業員の 97 パーセントは、上司が自分の望むワークスタイルをサポートしてくれていると答えています

洞察から行動へ

何よりも重要な点として、今回の調査は、リモートワークからハイブリッドワークへの移行の中で、信頼の文化を築くこと、そしてマネージャーの役割が非常に重要であることを示していると、マイクロソフトは考えます。当社のデータは、マネージャーたちがこの不安定な時期をうまく切り抜けていることを示しています。当社の最新の調査で、直属の上司 (マネージャー) に対する従業員の感情を示す 3 つの指標が過去最高の結果となりました。

  • 直属の上司を信頼している (90 パーセント)
  • 上司は私に敬意と尊厳を持って接してくれる (96 パーセント)
  • 私は上司と良好な関係を築いている (95 パーセント)

マイクロソフトの People Analytics 責任者、ドーン クリングフォッファー (Dawn Klinghoffer) は次のように述べています。「全面的なリモートワーク実施時、マネージャーには大きな負担がかかりましたが、彼らはそれを乗り越えてきました。ハイブリッドワークに移行するには、すべてにおいて明確な意思の元に行動し続けなければなりません。従業員は、上司の行動や対応を見ています。」

これらのリスニングシステムにより、進化し続ける仕事のやり方をよりよく理解できるようになりました。今後、このポジティブな感情を維持していくためには、柔軟性を提供し、すべての従業員が場所にかかわらず平等に働けるようにする必要があります。そのためには、新しいベストプラクティスを作り出し、新しいテクノロジを取り入れ、チームメンバーとして互いに新しいコミットメントを行うことが必要です。マイクロソフトでは以下のようなステップを取っています。

  • グロースマインドセットの維持: パンデミックによる予測不可能な状況がもたらす変化に対応するためには、グロースマインドセット、すなわち、すべての過ちを失敗ではなく学習の機会として受け入れる、前向きで前進的なアプローチが必要です。「私たちはハイブリッドを完璧に理解しているかのように装うべきではありません。誰もが改善し、成長していかなければなりません」とロック博士は述べています。
  • 1 1 の対話: マイクロソフトは、すべてのマネージャーに、新しいハイブリッドモデルの働き方について、部下との 1 対 1 の対話を行うよう求めています。マネージャーには、それぞれの部下の働き方に関心を持ち、思い込みを排除し、可能な限りの柔軟性を提供することを勧めています。
  • 模範となり、指導し、気遣う: 2 年ほど前にマイクロソフトで導入した、「模範となり、指導し、気遣う (model, coach, care)」マネージャー フレームワークを全面的に活用するようマネージャーに要請しています。マネージャー研修により、柔軟性、ウェルビーイング、セルフケアの模範となりコーチのように従業員の優先順位付けを支援し、障害を取り除き、解決策を見つけるために質問をし、そして、従業員の仕事内外での独自のニーズや、キャリアの希望や目標を「気遣える」ようにします。
  • チーム内の合意: 不確実性は不安を生みます。マネージャーが確実性を約束することはできませんが、確実性の代用として明確性を打ち出すことはできるとロック博士は言います。マイクロソフトの各チームにハイブリッドな世界での共同作業の方法を明確にするための合意事項を作成してもらいました。チームは、ミーティングを行わない日を設定したり、週 1 回の対面式のチームミーティングを計画したりすることができます。チーム内の合意確保により、明確性が提供され、各チームが自分たちに最適なハイブリッドのあり方を決定するための余地を作ります。マイクロソフトが使用しているテンプレートはこちらです。
  • 意識的なハイブリッド会議: 企業文化が従業員それぞれの日常の小さな行動で構成されているとすれば、連日のハイブリッドな会議の氾濫をどう処理するかが、かつてないほど重要になっています。マイクロソフトでは、誰もが平等に会議に参加できるよう、Microsoft Teams を進化させ続けています。また、ハイブリッド会議のガイダンスを作成し、リモートと対面の参加者が同様の参加意識を感じられるようにしています。マイクロソフトは、学びと実験を重ねながら、このベストプラクティスを進化させていきます。
  • 基本を無視しない: 結局のところ、ウェルビーイングは生物学と心理学に基づきます。誰もが十分な睡眠、毎日の運動、健康的な食事、そして水分補給を必要としています。仕事以外の人との質の高い、愛情のあるつながりを最優先しなければなりません。ハイブリッドワークの荒波を乗り越える中、マネージャーはこれらの基本的な要素をチーム内、そして、自分自身で確保できるようフォーカスする必要があることをロック博士は指摘します。「今は、キャリアの中で最も自分のウェルビーイングを優先しなければならない時期です。」

ハイブリッド パラドックスとグレート リシャッフルは、私たちが知っていたこれまでの仕事のあり方を再定義すると、マイクロソフトは考えます。これらの課題の克服は困難に思えるかもしれません。しかし、これは企業・組織にとって、従業員の満足度を高める、さらには、業績を向上させる新しいワークプレースの基準を構築するための絶好の機会となります。前例が無く、マイクロソフトがすべての答えを持っているわけではありませんが、当社の学びを共有することで、多くの企業・組織が、ハイブリッドワークを適切に機能させる組織文化を醸成するために、自社にとっての柔軟な働き方とは何かを考えるきっかけとなることを願っています。

調査手法

今回の Work Trend Index Pulse Report では、世界 100 カ国以上、18 万人の従業員*を対象とした 3 つのアンケート調査を含む、マイクロソフトのリスニングシステムから得られた匿名の洞察を紹介しています。Microsoft Daily Pulse 調査は、さまざまなトピックについて、毎営業日に無作為抽出された全世界の従業員 2,500 人に対して行われています。MS Poll は、マイクロソフトが世界の全従業員を対象に毎年実施している調査であり、2021 年 2 月下旬から 3 月上旬にかけて実施された結果が今回のレポートに含まれます。Microsoft Return to Workplace 調査は、104,000 人以上の従業員を対象に実施され、2021 年 6 月中のオフィス再開を目指していた 25 カ国の回答 49,485 件を含みます。

*今回の調査では、16 万人以上の従業員が対象になりました (LinkedIn、GitHub、独立運営のゲームスタジオでは、独自の従業員調査を実施しています)。

本ページのすべての内容は、作成日時点でのものであり、予告なく変更される場合があります。正式な社内承認や各社との契約締結が必要な場合は、それまでは確定されるものではありません。また、様々な事由・背景により、一部または全部が変更、キャンセル、実現困難となる場合があります。予めご了承下さい。