※ 本ブログは、米国時間 7 月 21 日 に公開された “Microsoft Inspire 2020: Empowering partners to make more possible” の抄訳です。
ガブリエラ シュースター (Gavriella Schuster) One Commercial Partner 担当 コーポレートバイスプレジデント
マイクロソフトのパートナーエコシステムは、お客様に変革的なソリューションをお届けするにあたって欠かせないものです。毎年、パートナー企業のイノベーションや献身的な取り組み、そしてサービスを頼りにしている世界中のさまざまな業界のお客様から、数え切れないほどのサクセスストーリーが聞こえてきます。ただし、この 1 年、特にここ数ヶ 月の間は、劇的に変化する世界の中でパートナーコミュニティが無限の可能性を提供していることを目の当たりにするようになりました。その可能性とは、適応力を高め、つながりを保ち、イノベーションを起こし、より多くのことを達成する可能性のことです。
Microsoft Partner Network は、企業やお客様が進化するデジタルエコノミーの中で成功するために必要な技術とツールを導入する際に支援する役割を担っています。
今年で 17 年目を迎える Microsoft Inspire は、初めてオンラインでのみ開催するイベントとなりました。デジタルイベントへと移行したことは、現在私たちが生きている時代を象徴するものであり、パートナー企業が困難から迅速に回復する力があることを示しています。混乱が広がる中でも、マイクロソフトのエコシステムはお客様が劇的に変化する環境に適応できるよう支援し続けているのです。
マイクロソフトのサービスの力とパートナー企業のイノベーションを組み合わせることで、そのインパクトはより大きくなります。
マイクロソフトのパートナーエコシステムは、アフリカ、南極、アメリカ大陸、アジア、そしてこれらの大陸の間に位置するあらゆる場所で、デジタルトランスフォーメーションを推進しています。
Microsoft Inspire は、パートナー企業同士がつながり、過去 1 年を共に振り返り、短期的にも長期的にも共に成長する方法を検討する機会となっています。この 1 週間だけでも、Citrix や Land O’Lakes、Finastra といった企業と、今回のカンファレンスに向けてエキサイティングな発表を行いました。
ここでは、新たに発表する内容の概要をお伝えしたいと思います。
仕事の環境が変化する中で、パートナー企業がお客様にサービスを提供し事業を管理できるよう、革新的な方法を継続して構築していきます
- 2019 年の Microsoft Inspire で発表した Azure Lighthouse の機能拡張により、多要素認証と Privileged Identity Management がサポートされます。これは、お客様からフィードバックを得た結果が直接反映されたものです。
- マイクロソフトのパートナー向けクラウド実践ガイドシリーズに、パートナー企業が効果的なクラウドを実践するにあたって役立つ 2 つのガイドが新たに加わります。そのひとつはアプリイノベーション実践開発ガイドで、クラウドベースのアプリケーションに対するお客様の需要や、パートナー企業がその機会をどう活用するかについて解説しています。もうひとつは Inspire 後に公開予定の Microsoft Azure Center of Excellence ガイドで、Azure に特化した実務の拡張方法をパートナー企業に伝える内容となっています。
- Lenovo マネージドサービスに新たにバンドルされた 2 つのサービスは、中小企業がマイクロソフトソフトウェアの生産性、セキュリティ、コラボレーションといった機能を活用できるよう支援します。
Power Platform と Dynamics 365 により重要なデジタルインフラのニーズに対応し、職場への復帰をサポートします
- 新たな Power Platform ソリューションには、場所の準備や従業員の健康および安全管理、職場ケア管理、ロケーション管理といったツールが備わっており、従業員の安全な職場への復帰を支援します。これにより、企業は継続的に状況を監視し、ニーズに応じた対応が可能となります。こうしたソリューションをお客様にお届けするにはパートナー企業の存在が欠かせません。これは、3 月と 4 月に COVID-19 の初期対応を行った際に明らかになったことです。クライシス・コミュニケーションのテンプレートなどのソリューションにより、お客様は迅速に特定のニーズに合ったカスタマイズソリューションを立ち上げることができましたが、それもパートナー企業がそばにいて支援の準備が整っていたからこそです。
- Dynamics 365 アプリケーションには、カスタマーボイスやコネクテッドストア、不正防止などのイノベーションが施されています。こうした機能は、お客様が現在の危機を乗り切れるよう、また今後俊敏性と回復力を備えた体制を整えられるよう支援するものです。世界が引き続き危機に対応し、最終的にデジタル基盤を確立して来たるべき時代に備える中、これらの新機能は売り手や業者等がデジタルオペレーションへと迅速に移行できるよう支援し、お客様のニーズを把握し対応できるようにして成功へと導きます。
Azure が引き続き企業のクラウドへの道のりを加速させ、クラウドによる事業展開を支援します
- Azure Stack HCI はマイクロソフトの最新ハイブリッドポートフォリオで、現在パブリックプレビュー中です。これにより、お客様のデータセンターにハイブリッド機能が提供されると共に、既存のスキルや投資も活用できるようになります。お客様はコスト削減や効率性の向上、イノベーションを目指し、より多くのワークロードをクラウドに移行しています。こうしたハイブリッドな環境に向けたお客様のニーズに対して、マイクロソフトはより多くの選択肢と最適なソリューションを提供しようと真摯に取り組んでいます。Dell EMC や HPE、Lenovo といった一部の主要パートナー企業は、すでに Azure Stack HCI ソリューションを提供しています。
- Azure Migrate の機能強化では、より豊富なデータセンター評価が実施できるほか、サーバの移行およびアプリケーションのコンテナ化に向けたモダナイゼーションが可能であり、お客様は記録的な速さで急速に変化する状況に対応できるようになります。また、Azure VMware ソリューション評価も新たにサポートします。
Microsoft 365 と Microsoft Teams により、安全で協力的な職場環境を実現するソリューションを提供する
- Teams は、マイクロソフトのパートナー企業や開発者に対して、Teams でのミーティング体験を拡張する新たな方法を提供しています。ミーティングをよりインタラクティブにし、魅力的で効果的にするサードパーティー製アプリケーションやサービスによってこれが実現するのです。
- Teams の新機能により、第一線で働くファーストラインワーカーは、情報やアプリケーション、同僚とつながって連携できるようになり、組織の機敏性が高まります。新たに登場したコミュニティ機能は、Teams から直接 Yammer の告知事項や最新情報、ディスカッション、イベントにアクセスできる機能です。また、今回パブリックプレビューとして公開されたトランシーバー機能により、押して話すプッシュ ツー トーク型のコミュニケーションが安全にできるようになります。さらに、ファーストライン管理者は、新機能によってシフトのスケジュールやタスクの割り当てが簡素化できます。
- Microsoft 365 の Microsoft Endpoint Data Loss Prevention が新たにパブリックプレビューとして公開されます。これにより、エンドポイントの情報を識別し、保護できるようになります。同機能は Windows 10 や Office アプリケーション、Microsoft Edge に組み込まれていることから、エージェントは不要で迅速に導入できます。また、Microsoft Teams、Exchange、Sharepoint の既存のデータ漏洩防止機能 (DLP) とも統合されており、Microsoft 365 全体でコンプライアンス要件を満たすことが可能です。
- Teams 内の Power Platform 体験が新たに強化されました。これにより、Teams はチームワークとビジネスプロセスにおけるより強力なハブとなります。追加費用なしで Teams に新たに組み込まれるリレーショナルデータベースの Microsoft Dataflex は、Teams 上で Power Apps や Power Virtual Agent を使ってアプリやチャットボットを作成し、展開して管理できるというものです。この新機能により、ビジネスユーザーは変化するビジネスニーズに迅速に対応できるようになり、日々業務遂行に利用している Teams 内にてお客様に向けたソリューションが作成できるようになります。
- Universal Print は、クラウドへの移行時にシンプルで簡単かつ安全な印刷体験を必要とされるお客様向けの Microsoft 365 の新しいソリューションです。お客様は、複雑なハイブリッドプリントの設定をすることなくプリンターを導入されたいと考えていることから、同サービスはリセラーやハードウェアパートナーに多くの機会をもたらすことになるでしょう。
2030 年までにカーボンネガティブを実現するという目標に向け、お客様やパートナーと共に取り組み、引き続き力強く前進していきます
- 炭素ゼロ経済に向けたビジネス活動を加速させるため、マイクロソフトは主要 8 企業と協力し、Transform to Net Zero という新連合を立ち上げます。
- 新たに公開する Microsoft Sustainability Calculator のプライベートプレビューでは、マイクロソフトのクラウドをお使いのお客様に対して、クラウドの利用による二酸化炭素排出量の合計を 1~3 のスコープで“見える化”します。Supplier Code of Conduct (サプライヤー行動規範) も更新し、温室効果ガス排出量のデータを計算して報告するようサプライヤーに義務付けます。
- 10 億ドルの Climate Innovation Fund (気候イノベーション基金) による初の投資先は、世界のエネルギーと交通システムを変革する技術に焦点を当てることになりました。Sol System との新たなパートナーシップでは、500 メガワットの再生可能エネルギーを確保し、環境問題によって特に影響を受けているコミュニティに対して戦略的な投資を実施します。
マイクロソフトでは、パートナー企業がお客様に新たな機会をもたらし良い結果へと導けるよう、引き続きパートナー企業にトレーニングやスキル、サポート、価値、セキュリティを提供して能力を高め、今後の可能性につなげてもらいたいと考えています。
ここで紹介した発表内容やその他の詳細は、Microsoft Inspire Book of News (英語) にてご確認ください。Microsoft Inspire のニュースや注目ポイントは、https://news.microsoft.com/inspire2020/(英語) をご覧ください。今後数ヶ 月でパートナーエコシステムの可能性がどこに向かうのか見届けるのが楽しみでなりません。
◆ その他の Inspire での発表抄訳
- 2030 年までにカーボンネガティブを実現するという目標の進捗状況について
- ハイブリッド クラウドを可能にする次世代の Azure Stack HCI を発表
- 今日のリモートワーク環境におけるデータ損失防止とリスクの軽減
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